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翔「や、あの、誤解を」

智「誤解？」


なんの誤解だ？
翔が間違ってたのか、俺が間違っていたのか。


智「なにを」

翔「なにって、貴方あれ、素なの？」

智「はい？」


全くもう、だから天然は困るんだと翔は溜め息を吐いた。


翔「紛らわしいんですよ…」


更に項垂れて、情けない顔で俺を見る。


智「ちょ、待って。おれにも分かるように説明して」

翔「はあああ」


翔は、明らかに呆れた顔をした。


翔「あんな顔で…、あんなトーンで話されたら誰だって誤解するでしょ…」

智「は？」

翔「…まさか、気付いてないの？」

智「だからなにを」


もう、本当信じられないと、翔が目を見開く。


翔「何言ったか思い出してみて？」

智「え？えーと、落ち着ける場所がいいなって」

翔「うん。だからここにしたんだよ？」

智「んで、ゆっくり翔くんの話を聞こうと思って」

翔「俺の話？」

智「うん。なんでおれの事恨んでるのか分かんなかったから。それを聞きたかったんだ」


あ、また呆れた顔したな。


智「んで話してたら翔くんが暴走してきたから」

翔「ぼ、暴走」

智「したじゃん。おれをベッドに放り投げたでしょ」

翔「ごご、ごめんなさい…」


ちょっと申し訳なさそうな顔に変わった。


智「だから、ついに殺されるんだと思って」

翔「えええ…」


今度は情けない表情になった。


智「おれも、覚悟してたし、さ」

翔「覚悟…？」

智「ん。だから、いいよって言った」


今度は真顔になってしまった。
忙しいヤツだな。


智「おれの事、殺したい程憎いんだろうなって、そう思ってたから。だから、分かってるよ、いいよって」

翔「俺に、殺されようとしてたの…？」


今度は眉をハの字にする。


しかも凄く悲しそうなんだ。


俺が憎いんじゃ無かったのか。
俺を恨んでる訳じゃ無かったのか。



だったらなんで、そんな顔するんだ