
不透明な男
第14章 終幕
B「で、ここでこうなって…」
智「んっ」
A「いや、もうちょっと激しいんじゃないか?」
智「んん…っ、ちょ、待」
Aに両手を捕まれベッドに張り付けられる。
んで、前からBが迫って来て、俺の服を乱しながら首に舌を這わせていた。
智「ん、ふ…っ、こ、これって、必要…?」
A「必要だろう」
B「段取り確認しとかないと、大変な事になるかもしれないからな」
えーと窓があっちにある筈だから、角度はこうだな、とか言いながら俺をさわさわと撫でる。
智「や、ちょ…」
ぎゅっとBの胸元にしがみつき、困った瞳を向けた。
B「やべ、可愛い…」
A「あ~、これは大変だな」
智「え?」
B「お前、そんな顔したら…」
駄目だ、もう我慢できねえと俺にガバッと覆い被さる。
智「ちょっ、だ、駄目だってば!」
A「こら、いい加減にしろ」
ポカッとAに殴られ、Bは俺から離れる。
ほっと胸を撫で下ろす俺に、Aが言う。
A「分かったか? あんな顔見せちゃ駄目だぞ?」
智「わ、わかった」
お前の垂れがちな丸い瞳で見上げられると、大抵の奴は確実に萌えるだろう。
暴走の引き金に成りかねないから、あんな顔はするんじゃないと念を押された。
B「でも、結局の所、どんな顔したって萌えるんだよなあ…」
A「まあな。だからお前をわざわざ潜入させたんだ。ちゃんと守れよ?」
智「そうだよ。おれ、あんな奴らにヤラれるのやだからね?」
B「お、おう、任せとけ!」
既に緊張している様子を見せるBに少し不安を覚えた。
だけど最初は一人で行くつもりだったし、こんなんでも居ないより全然マシだ。
やはりなんだかんだで心強い。
智「ふふっ、よろしくね?」
B「おう」
時は明日に迫っている。
少し不安な心を隠し、俺は念入りに段取り確認をしていた。
