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不透明な男

第14章 終幕




首筋を社長に吸われ、身体を撫で回されていた。

汗をかき、抵抗した為に疲れた身体を力無くベッドに横たわらせる。


智「あ、ぁ」

社「ははっ、可愛いな…。女を抱くのとは訳が違うだろう?」


A達はどうしただろう。
そろそろ予定の部屋に着いただろうか。


それにしてもアイツ
どうしてあんな所に居たんだ。
まさか、つけて来たのか…


智「…っく、ん」


唇をぎゅっと噛み、気持ちの悪い刺激に耐える。
プルプルと震える指先も、全ては恐怖からだった。


社「ああ成瀬、お前はどうしてそんなに悩ましい顔をするんだ…」


快楽に耐えているとでも思っているのだろうか。
眉間に寄せたシワを、社長の親指が撫でる。


智「…っ、あ」


身体が勝手に跳ねた。
俺の胸に当たった指先で、胸の硬くなった突起を弄ったんだ。


智「っ、あ、はぁっ、しゃ、社長…っ」

社「ここが、お前の弱点か…」

智「んん…っ」


身体がビクビクと震える。
興奮剤ってのは一体何なんだ。
たったこれだけの刺激でこんな事になるなんて。
早くしないと身体がもたない。


智「ん、ぁ…っ、や、やめ」


そろそろ証拠になりそうか。
いや、まだ駄目か。
シャツを乱されただけで下はまだしっかりと履いているし、証拠にするには弱いか。


社「お前の身体は楽しめそうだな…」

智「んぁ、あ、っ」


声なんて絶対出すもんかと思っていたのにこのザマだ。
胸を吸われただけでこんなんじゃ、後はもうどうなるかなんて分かったモンじゃない。

社長の指示が無ければBだって勝手に動けないし、取り敢えず耐えるしか方法は無いんだ。


社「苦しいか、成瀬」

智「はぁっ、はぁ、か、身体が…」

社「うん?」

智「熱くて、おかしくなる…っ」


熱い息を社長の耳に吐きかけ、潤んだ瞳で見つめる。

触られる度にピクピクと震える身体を社長に押し付け、俺は社長の反応を見る。



この状態での煽りは、相当危険かなと思った。

だけど時間を掛けてもいられない。



俺の頭が冷静なうちに、終わらせなきゃヤバい。




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