
不透明な男
第14章 終幕
智「う、ぁ…っ」
ジワジワと攻めていた指に急に力が籠った。
智「く…っ」
グッと俺の中に攻め入る指が、ジワジワと進んでくる。
智「んぅ…っ、や、やめ…」
グッグッと、狭い中を進んでくる。
社「あぁ、熱いな、成瀬…」
智「ん、う…っ」
俺の身体は相当な熱を持っているんだろう。
中に入る社長の指が冷たく感じる程だった。
薄く目を開くと、Bが心配そうに俺を見ていた。
社長が俺の耳を噛んでいる間に、Bに目で合図を送る。
智「んぁ…っ」
途端身体がビクッと大きく震えた。
その社長の指は気持ち悪くて吐き気がする程なのに、何故か俺の身体は勝手に跳ねる。
社「ここか…」
そこを探り当てた社長は、ゆっくりと指を撫で付ける。
智「うぁ…」
社長の肩に額を擦り付け、俺はその刺激に耐える。
ガクガクと震える膝は力が抜け、俺の体重は全て手首にかけられる。
智「あぁっ、あ、は…っ、しゃ、社長…っ」
手首が痛い、ちぎれそうだ。
その手で手首に繋がる鎖を掴む。
腕にありったけの力を込め、鎖をジャラジャラと鳴らしながら体重を支えた。
社「成瀬、顔を…」
顔を見たがる社長が俺の頬を掴んでも、直ぐに顔を捩って逃れた。
俯いた額を社長の肩に押し付け、意地でも顔を見せてやらないと頭を振る。
智「っく、も、もう…、やめ」
グリグリと頭を押し付ける俺から社長は離れる。
指を引き抜き、少し後ずさるとその代わりにBGが立ちはだかる。
智「…っ、あ」
ほっとしたのも束の間、直ぐにBGの指が入ってきた。
俺から離れた理由は、俺の苦しむ姿を傍観したかったから。
だから俺は顔を見せなかったんだ。
ニヤニヤと俺を見る社長に俺は勝てるのか。
それともこのまま、社長の手に落ちてしまうのか。
