
不透明な男
第14章 終幕
智「んぅ…」
社長に見えやすい様にとBGは俺の後ろへ回り込む。
前がガラ空きになった俺は、身体を隠すことも出来ずに汗を滴らせる。
智「ん、は…ぁっ」
社「いいぞ、綺麗だよ、成瀬…」
俺の皺を寄せた眉間に社長が釘付けになっている間に、Bはカーテンを少し開けた。
その事にほっとした俺の口からは喘ぎが漏れる。
智「あぁ…っ、社長、も、もう…」
社「なんだ? 我慢出来ないか?」
震える身体の振動を伝い、俺の硬くなった前もビクビクと震えていた。
その俺の反応に気を良くした社長は、Bを俺の前に促す。
社「手伝ってやってくれ。成瀬が辛そうだ」
スッと俺の前にひざま付き、温かい口内に俺を押し込める。
智「んぁ…っ、く」
その刺激に重い鎖がジャラッと音を立てた。
智「あ、ぁ、…っ」
傍観していた社長は目を見開き俺に近寄る。
俺の顎を掴むとグイッと顔を上げさせ、恍惚の表情を浮かべる俺を穴が開きそうな程に見つめる。
智「ん、んぅ…っ、く」
社「どうだ…? 男の方が気持ちいいんじゃないか?」
俺を見つめる黒い瞳からの恐怖なのか、嫌で堪らないのに跳ねてしまう俺の身体への絶望なのか、何故だか瞳からは涙が溢れていた。
智「う、ぅ…っ、おねが…」
社「なんだ…?」
智「んぁ、あっ、も、もうやめ…」
涙を流しながら社長に乞う。
それでも社長は何も指示をする事無く、俺の顔をうっとりと見ているだけだ。
智「はぁ、はぁっ、しゃ、社長…、おねが…っ」
ビクビクと震える身体を、これでもかと弄ぶ。
それでも決して絶頂に達しない様にジワジワと攻める。
これならいっそ、身体を開いて楽になってしまおうか、一瞬でもそんな事が頭をよぎるんだ。
それ程迄に、社長は俺の身体を支配していた。
あの青年も、こんなふうに社長の手に落ちていってしまったのだろうか。
俺は、落とされる事無く、ここから抜け出せるのだろうか。
