
不透明な男
第14章 終幕
どうしてだ
どうして翔がそこに居るんだ
BG「諦めろ…っ」
もう一人のBGが俺に飛び掛かってきた。
膝の震えが止まらなくなっている俺は、いとも簡単に押し倒され、床に張り付けられた。
社「私を怒らせる気か?」
智「しゃ、社長」
動けない俺の上に社長がのし掛かる。
社「床だと冷たいだろうと親切にしてやったものを…」
智「んぅっ」
俺の足を割り開き、再び指を差し込む。
怒りからか、その指は先程とは違い激しく俺の中をかき混ぜた。
智「んぁ、あっ、あ」
ビクビクと跳ねる身体を押さえ付けながら、社長は妖しい笑みを溢す。
こんなの序の口だ、まだまだこれからだぞと、俺に脅しをかけた。
智「ん、う、ぁ…っ、く」
俺の胸を吸い上げながら、指を増やす。
その指をバラバラに動かし、更に俺の中を暴れ回った。
智「あ、あ…っ、く、社長、や、やめて…っ」
社「まだそんな事を言うのか」
素直に従うまで待ってやろうと思ったが、お前が意地を張るなら仕方がないと、冷たい瞳を俺に向けた。
智「しゃ、社長、何を」
その冷たい瞳と、俺の後ろにあてがわれた熱に寒気を覚え、身体をブルッと震わせた。
グッと社長の手が俺の腰を掴む。
智「…っ、だ、駄目っ、やめ…っ」
BGに押さえ付けられた身体を捩って抵抗を試みる。
しかしそんな俺の後ろに、今にも入り込もうと熱が押し付けられた。
社「怯えた瞳は綺麗だな…。お前は、今から私の物になるんだよ」
智「…っ」
もう駄目だ。
俺は目をぎゅっと瞑った。
ガチャッ
「何をやってる!」
その声と同時にフラッシュが焚かれた。
社「な、なんだ!?」
怯んだ社長は俺から引き摺り下ろされ、暴行の現行犯と言うことで手錠を掛けられた。
踏み込んでからのあまりに素早い対応に、社長は違う誤解だと喚きながら連行された。
A「成瀬、無事か?」
B「ほら早く、行くぞ」
自分で歩く事の出来ない俺を毛布でくるみ抱え上げると、取り敢えずはと、向かいのホテルに連れていかれた。
智「はぁっ、はぁ」
B「可哀想に…、まだ汗びっしょりじゃないか」
A「一体どうした。どうしてこんなに辛そうなんだ」
朦朧とする意識の中、俺はそっとベッドに下ろされた。
