不透明な男
第16章 透明な男
智「んぅ…」
俺を丁寧にくるくると撫でると、その場所にそっと指を差し込む。
翔「辛くない…?」
智「大丈夫…」
俺の反応を見ながら、ゆっくりと指を押し込む。
智「ん、ぁ…」
その指を奥に入れられただけなのに、次第に俺の呼吸はあがる。
翔「動かしていい…?」
コクリと頷くと、ゆっくりと指を動かす。
撫でるように、探るように、少しずつ動かしてくる。
智「はぁ…、ぁ…」
その刺激にじんわりと胸が熱くなる。
眉をしかませる俺をうっとりと見ながら、翔は胸にキスを落とす。
智「ん…、っ」
もう駄目だな。
今日はヘンな薬なんて飲んじゃいないのに、もう身体が熱くて堪らない。
翔「増やすよ…?」
その言葉通りに翔の指は増える。
俺の後ろはギチギチと悲鳴をあげているのに、それでも翔を受け入れたくて疼くんだ。
智「んぁ、あ…っ」
目をぎゅっと瞑り、思わず翔を掴む。
翔「ごめん、痛かった?」
智「痛くない、よ…」
増やされた指を無理に動かそうとして、俺の内壁を擦るんだ。
智「あぁっ、ぁ、しょ、翔」
翔を掴む俺を心配そうに覗く。
翔は俺が辛くないようにと丁寧にしているつもりだろうが、そのもどかしい指が俺の跳ねる場所をいちいち触るんだ。
そんな事をされちゃ、疼いて仕方が無いってもんだろう。
翔「ごめん、もっと優しくするから…」
智「はぁ、ち、違…、っ」
疼くんだってば。
そんなのされちゃもう我慢できないよ。
翔「…え? なに?」
そんな事言えるかよ。
恥ずかしいだろ。
智「…っ、んっ、く」
俺の呼吸で分かれ。
智「はぁっ、あ、しょ…くん…」
俺の潤んだ瞳で分かれ。
智「も、駄目だよ…。我慢、出来な、い…」
言っちゃったじゃんか。
肝心な所でどうしてそんなに鈍いのか。
智「早く、抱いて…」
ここまで言わせて、漸く翔は固まるんだ。
顔を真っ赤にして、目を丸くしてる。
智「翔くん、早く…」
固まってる場合じゃないんだよ翔。
俺はもう、疼いておかしくなりそうなんだ。
俺を熱くしたんだから、ちゃんと責任取ってくれ。