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不透明な男

第16章 透明な男



智「ね、早く…」


恥ずかしい言葉が俺の口から次々と溢れる。
普通ならこんな事考えられない。


翔「智くん…」

智「も、我慢できないよ。焦らさないで…」


普通じゃなくなってるんだ。
これも全て、俺を狂わす翔の熱によるものなのか。


翔「いくよ…?」


固まっていた翔は、俺の訴える熱を持った瞳を見て一呼吸つく。
それで、翔も俺に熱い瞳を向けてくるんだ。


智「…っ」


自分で言ったのに、その熱が俺に触れると途端に身体を震わせた。
ピクッと震える身体を押さえつけて、翔は俺に熱を押し当てる。


智「う、ぁ…」


グッと押し入ってくるその熱に震えるんだ。


智「…く、っ」


奥歯を噛み締めて翔を受け入れる。


翔「もう少し…」

智「あ、ぁ…」


その窮屈さとは裏腹に、俺の身体からは力が抜ける。


翔「入った…」

智「はぁ、っ…」


翔は俺にしっかりと納まった。
そのピッタリとくっつく部分が熱くて、俺の心は益々疼くんだ。


翔「智くんの中、熱い…」


そうなんだ。
もう熱くて、お前を溶かしたい位だよ。


翔「溶けそうだよ…」


俺の思いは翔に伝わるんだ。


翔「嬉しいよ、智くん…」


俺も嬉しいよ。
お前が俺に入るなんて、そんな事もう無いと思ってたんだから。


智「…っ、ん」


俺と目を合わせながら翔はゆっくりと動き出すんだ。


智「あっ、ぁ」


俺の反応をしっかりと見ながら、俺から目をそらさずに翔は動く。


智「はぁっ、ぁ、翔、くん…」


ピクリと震わす俺の手を掴むと、翔は俺にキスをする。

俺を優しく揺さぶりながら、翔は俺の口内にも入ってくるんだ。


智「翔く、ん」


繋がった掌が熱くて、繋がったその部分が熱くて。


智「好きだよ…」


繋がった口内が熱くて。


智「大好きだよ、翔…」


繋がった心が熱くて震えて。

ずっと言えなかったその言葉が、俺の口から漏れてしまう。


翔「…っ、智くん…」


俺が初めて言ったその言葉に、翔は驚くんだ。


智「たぶん翔くんが思ってるより、もっと、ずっと…」


好きなんだよ。



俺がどれだけ翔を好きか伝わる?

もうね、言葉じゃ表現なんて出来ないんだ。



だからお前が、察して。






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