
不透明な男
第4章 探す男
タクシーの後部座席にならんで乗り込む。
ニノは相変わらず気持ち良さそうに眠っている。
襲われるって言うならニノの方じゃないか?
と、可愛い寝顔を見ていた。
ニノの可愛い寝顔に釣られて俺も眠りに堕ちた。
「お客さん、着きましたよ。」
タクシーが止まる。
智「コイツ運んでくるからちょっと待ってて下さい。」
「わかりました。」
俺はそう言うとニノを抱えてタクシーを降りた。
しかし、寝惚けているニノはなかなか自分の部屋を教えてくれない。
なんかごちゃごちゃ言ってるが、聞き取れずに部屋まで辿り着けない。
これは時間が掛かるな、また後でタクシー呼ぶか、とさっきのタクシーまで戻ると松兄ぃのカードで支払いを済ませた。
智「ニノ、部屋教えて?」
和「んあ、だから…」
ようやく部屋の前まで来た。
智「鍵どこ?」
和「ぽっけ…」
ぽっけて。なんちゅー可愛いんだと思いながら上着のポケットを漁る。
和「うひゃひゃ…擽ったい」
智「我慢して…」
和「うひひ…っ」
智「あれ?右も左も無い」
和「そこじゃないよ…」
智「んじゃ何処だよ…」
答えないニノの内ポケットを探る。
和「んん…」
智「あ、これか?」
和「ちが…」
智「ちくびだった」
和「…貴方バカなの?」
バカじゃねえよわざとだ。
可愛いからちょっと悪戯したくなっただけだ。
智「んじゃ何処だよ~も~」
和「こっち」
ニノはケツを付き出す。
智「わかってんだったら最初から言えよな…」
和「んふふ」
やっと鍵を見つけてドアを開けた。
