不透明な男
第5章 思い出せない男
…とし…智…
その声の主は、俺の頭を優しく撫でていた。
智「…ハッ!」
あ、俺寝ちゃったのかと目を開ける。
背中が温かい。
頭上を見上げると翔の顔があった。
翔もスヤスヤと寝ていた。
それ、首ヤッちゃうんじゃねえか?という位の凄い体制で俺をしっかり包みながら翔は寝ていた。
多分、俺が寝やすい様にしてくれてたんだな…と翔の心使いが嬉しかった。
翔「ん…」
智「翔くんおはよ。」
翔の腕の中で暖まりながら声を掛けた。
翔「ん…?…あ!」
翔は俺からバッと離れる。
翔「痛っ」
智「首、ヤッちゃったんでしょ?」
翔「す、筋が…」
智「すんごい体制してたもんね(笑)」
翔「笑い事じゃ…つッ」
智「ごめんね翔くん?ありがと」
俺は極上の笑みを翔に向けた。
翔が真っ赤に染まった。
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