不透明な男
第5章 思い出せない男
俺は夜になると相葉ちゃんの店に行った。
暗くて大きな静寂を掻き消してくれるのはあの店しか思い付かなかった。
智「まいど~」
雅「大ちゃん、いらっしゃい♪」
和「らっしゃーい」
既に酔っ払っているニノが気になった。
智「どしたの?」
雅「あ~、なんか、モテ過ぎてしんどいんだってよ?」
智「はい?」
和「俺ね?すんごいモテるんだよ。」
智「だろうね」
和「も~、女子達が凄いんだよ?」
智「うん」
それが最近、男にもモテ始めたと言う。
智「だろうね(笑)」
雅「ニノ、可愛い顔してるからねえ」
和「うるせえよ!」
雅「口は悪いけどね…」
智「おれ、心配してんだよ?どっかで襲われちゃうんじゃないかって」
和「俺が!?」
雅「非力だしね。抵抗出来ないんじゃない?」
和「俺は襲われないよ。大野さんみたいに無防備じゃ無いし。」
それに、ちゃんと自覚してるから俺は大丈夫なんだとニノは続けた。
智「無防備ってなんだよ」
和「この間も、おじさん達に抱っこされて楽しそうにお酒呑んでたらしいじゃない」
智「え」
和「相葉さんが言ってたもん」
雅「普段から魅力的なのに、酔っ払うと益々可愛くなるからねえ。」
和「自分に魅力があるって事、ちゃんと自覚しなさいよ」
智「ええ~おれ、そんなん無いよ」
これだから全く、と二人に溜め息を吐かれた。