不透明な男
第5章 思い出せない男
智「おい。なにしてんだよ?」
俺は男に声を掛けた。
「あ?」
和「お、大野さん!」
男はニノを離さずに、俺を下から上まで舐めるように見た。
「おお…君も美人さんだねえ」
智「そいつから手を離せ」
「…?そんな可愛い顔で、悪い口の聞き方しちゃ駄目だよ?」
俺のこめかみがピクつくのが分かる。
和「は、離せよおっさん!」
「この子は口の聞き方が為ってないからねえ。お仕置きしてたところだ。」
男がニノのズボンに手を入れる。
和「やっ、やめ!」
「君もお仕置きが必要かな?」
智「…んだと?」
プチッ
俺の頭の中で何かが弾けた。
俺は物凄い速さで男の懐に潜り込むとニノを引き離し、片腕に抱え込む。
その瞬間、男が吹っ飛んだ。
え…
なにが起きた…?
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