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覇者の剣

第4章 転校生

「もー、お兄ちゃん! 朝帰りするなんて、一体どーゆうことっ!?」


自宅に戻るなり、妹のキンキン声が耳元まで響いてきた。


「早紀、うるせぇ」


基はしかめっ面をしながら、部屋の中に入っていく。


「い、一体、どこの誰とっ…ふ、ふしだらな!!」

「はぁ…仕方ねぇだろ。気づいたら関西にいたんだから」

「へ!? 関西!?」


基は深いため息をつきながら居間のソファーにもたれた。
あれから基は帰り方がわからなくて、結局颯汰に教えてもらったのだ。
関東にいたはずが、なぜか関西にいた。
颯汰は送ると言っていたが、お金だけ借りて始発で帰って来た。


(あいつに借りができちまったな…)


もう二度と関わりたくないと思ったのに。
この時ばかりは自分の立場を恨んだ。


(金はそのうち取りに行くって言ってたけど…まさか住所まで知られてる?)


「も~なんで関西なんかに…って、もうこんな時間! 私、先に学校行くからね! お兄ちゃんはちょっと臭いからシャワー浴びてから学校行ってよね!」


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