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覇者の剣

第2章 襲撃

あれから基は悟を家まで見送った。
またあの変な男が現れないか心配だったからだ。


「ウチ、寄ってく?」


基はチラリと悟の家の看板を見た。
『中川内科』と書いてある。
今日は休みだからなのか、看板の電気はついていなかった。


「また今度な」


踵を返して歩こうとすると、


「悟、遅かったじゃないか」


背後から男の声がした。


「あ、父さん…」


玄関から悟の父親が出てきた。
目が合った基は軽く会釈する。


「…悟、友達を作るなとは言わないが、相手は慎重に選べ。将来に関わる」

「…と、父さんっ…?」


厳しい父親の言葉に、悟はうろたえた。
一方、基はギロリと悟の父親を睨みつけた。
基の鋭い目つきに、悟の父親は眉間にシワを寄せる。そしてすぐに目をそらした。


「…恐ろしい」


そうボソリと吐き捨てると、悟の父親は逃げるように家の中に入って行った。


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