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覇者の剣

第2章 襲撃

「ごめん、基…」

「どうってことねぇよ、気にすんな」


基は悟を安心させるためにニッと笑った。


「それよりもちゃんと戸締まりしろよ。何かあったらすぐに電話してくれ」


基は今度こそ踵を返して歩き始めた。


(…ったく。悟のオヤジじゃなかったら、ぶん殴ってたぜ)


悟の家には何度か行ったことがある。
その時は診察時間中だった。
だから今回初めて顔を合わせたのだが、過干渉なのが目に見える。自分のせいで色々言われてるんだろうと思ったら、悟に申し訳なくなった。


自分はツレは作らない主義だった。
いつも気を張ってガンつけてばかりいるから、人も寄ってこなかった。でも悟だけは違った。ケンカばかりする自分に動じずに話しかけてくれた。


『君って強いんだね』


悟はそう言って憧れの目で自分を見てくれた。
だからこいつなら隣にいてもいいかなと思った。
でもやっぱり周りはそれを許してくれない。


「チッ…めんどくせぇ」


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