霧島さん
第6章 霧島さんと先生
「わっ!」
ベリッと抵抗も虚しくいとも簡単にガードは剥がされ、鼻の先がくっつきそうな距離でにこやかな笑みが。
しかし、言わずもがなその顔は笑っているのに笑っていない。
完全に墓穴を掘った…!!
「触られて ませんよね??」
「…え、っと…、」
い、威圧がすごい…
でも…だって、言えるわけがない。
志月さんが恋しくなって、声が似てるからって重ねて…、体を一瞬でも違う人に許してしまった。きっと幻滅される。
それくらい私は、この人を裏切る行為をしているんだ。
「…………見るのが早いか」
すると、視線を逸らしどう言うべきか迷っている私に痺れをきらしたのか、ボソリとそう言った志月さんが私のズボンに手をかけた。
「え、や、やだ、やだやだ!!」
「何もないなら隠す必要はないでしょ?」
「っ!」
ごもっともすぎて言い返せない!!
けれど、確か筧さん…!
ずる!!!!
「ーーーあいつ…。今度会ったらどうしてやろう」
呆気なく脱がされると手で強引に足を開かされ、彼が足の付け根辺りに視線を留めた瞬間。更に低くなった声色に、私の心臓は縮みあがった。
ーーーー。
「見せびらかすみたいにキスマークつけて、俺を怒らせたいのか。それとも 、我慢できずにつけたのか。
どっちにしろ、俺のイライラは暫くおさまりそうにないよ」
「いっ!」
ごめんなさい。そう謝ろうとした刹那、下から走る痛みに思わず声を上げる。
「えっし、志月さんっ?」
けれど、その痛みは甘く、筧さんがさっきつけたキスマークの上に、志月さんが強く吸い付いていて。
時折甘噛みされるソレに、ぞくりとしたものが背中を走った。