霧島さん
第6章 霧島さんと先生
「うっぁ…、」
彼の舌が這う間も、その手は侵入を進め、ブラを押しあげ私の胸を包み込む。
やわやわと感触を確かめるように軽く触れられて、もどかしい。
ーーもっと、強く触れて欲しいのに。
なんて思った刹那。
「あ!?う…ッ」
カリッと爪の先で先端を引っ掛けられ、
突然の強い刺激に一瞬で頭が白くなり、荒い呼吸の合間に甲高い嬌声が零れる。
「一気に赤くなった。もしかしてこれ好き?」
「っぁあッし、ってるくせ、に…!んっ」
「まあね」
と、クスクスと楽しそうに笑った彼は、さらに追い討ちをかけるように強く先端を掴み、指で転がした。
「うぅっんッ…はっ」
「…いつも思うけど、ハナの甘い声って、泣いてるみたいで可愛い」
ちゅ、と啄むキス。
「あ…そ、れ、筧さんにも…言われた…」
どうやらこの兄弟はどんな甘い言葉も何の恥ずかしげもなく言えるらしい。
私はカッと熱くなった顔を腕で隠し、そっぽを向いた。
「…は」
…が、突然動きを止め間抜けな声をだした彼に、私も「え」と言葉を漏らす。
なんだ、この変な間?と思ったけれど、さっき自分が言ったことはとんでもない言葉だったことに気がついた。
恐る恐る腕の隙間から彼の様子を伺う。
「っ」
と、私はすぐさま彼を覗き見たことを後悔した。
だって…!!!こんな怖い顔をした志月さんを見たことがないんだもの!!!!!?
「ハナさん」
「は、はい」
しかもさん付け…。声も抑揚がなく明らかに怒りが含まれている。
ガシリ。掴まれた腕にサーーッと体温が引いて行く。
「家に帰って来たら筧は居なかったし、電話のあれは俺を煽るために言ったんだと思ったけど…」
「し、志月さん?」
「もしかしてのもしかしてだけど、触られていないよね?」