霧島さん
第7章 本当の君と、
文句を言って恥ずかしさを誤魔化すけれど、そんなわたしの努力を気づいてもなお、目の前の男は堪えきれずに吹き出した。
「ふっくくくっ」
ぽすん。とわたしの肩に頭を預け、震わせながら笑う蛍。
「こ、これ、男のロマンだって、き、聞いたことあるから…」
「そう、だね。うん。すっごいそそる」
そう言いつつ笑うのやめないじゃない…!!
蛍の頭をはたきたい衝動に駆られつつ、素の彼を見れていることが嬉しいなんて思ってしまって、どうしようもない。
「でも、なんで今裸エプロン…!ふっふはっほんとハナにはいつも驚かされる」
「そんなに笑うことないでしょう?!私は、蛍のエプロン姿カッコよくて好きって思ってたから…」
彼にも、私のエプロン姿に何か思ってくれたらって…何故かそんな考えに至ってしまったのだ。
今思うと、待っている間落ち着かなくて取り敢えず何かしていようとしたのだと思うけど…。
「はー…。笑ってごめんね。嬉しくて。
脱がすの勿体無いな」
「ん、」
横から丸見えの胸に、蛍の唇が触れる。
すぐに離れた唇は、また吸い付くように触れて、熱い舌が這う。
まるで大切なものに口付けるようなソレに、小さく吐息が零れた。
「今日は余裕ないかもしれないな」
「…私も」
胸から谷間に、谷間から鎖骨へと唇が辿り、とうとうソレは私の唇と深く重なり合った。