霧島さん
第5章 志月筧
「なんだよ、不躾なやつだな」
「…あの、今の電話って…」
通話終了の画面を見ながら文句をたれる俺に、ハナちゃんが恐る恐る聞いてくる。
そんな心配そうな顔しなくても、この反応はきっとハナちゃんにとって悪いことではないと思うけど…。
「ちょーーっと我慢してもらうけど、許してね」
「えっ?…って、かっ筧さん!?!」
返事はせず、少しだけ体を起こしていたハナちゃんを再びベッドに縫い付け、無理やり体を開く。
そして、足の付け根に唇をつけ、柔らかい白い肌に思いっ切り吸いついた。
チウ…ッ
「っい、た…、」
「ーー待って、もう一個」
すぐに赤い花びらを咲かせたその肌に、自分の欲がまたでてきてしまう。
けど、ぐっと抑えて唇を離した。
なんだこれ。我慢とか俺らしくない。
「ッ」
名残惜しく、唇をスルスルと肌に滑らせて胸の谷間にちゅっとキスをする。
ピクンと、ハナちゃんの体が小さくはねた。
あー、可愛い。
「女の子のいい匂いがする」
「…ッ」
そして、そのまままた強く吸い付いて、今度はさっきよりも少し長く、彼女を堪能する。
だって、もうこの子に触る最後の機会かもしれないし。このくらいは許してほしい。
「かっ、筧さん…」
でもやっぱり俺相手だと震えだすハナちゃんに少しがっかりしつつ、
「……ごめんごめん。もう辞めるよ」
と、潔く離れる。
これ以上長居するのも危ないしな。