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最後の恋

第2章 たべもの


彼はラーメンが好きだった。とんこつラーメンがあれば、必ず頼んでいた。

私は彼のおかげで、バリカタという言葉を覚えた。

バリカタは本当に固くて、ゆでる前と何が違うのか、と不思議になるくらいだった。

普段あまり積極的には物を食べない彼ではあるが、ラーメン屋にいくと必ず替え玉を頼んだ。しかも二つ。

私が一玉食べる間に、彼は三玉食べていた。

ラーメンといえば、彼と初めて自分の意志で関係を持った翌日、一緒にホテルの隣の駅で降りてラーメンを食べた。

溶けてしまうほどの夜の熱気と、素肌を冷やした朝の冷気のせいで、私は朝から具合が悪く、かなり苦労して一玉を食べた。

そしてその後入った喫茶店で、ラーメンを全部戻してしまったのだった。

でも私より体力を使ったはずの彼は、いつも通り元気に三玉たいらげていた。

ラーメンには申し訳なかったけれど、彼がいつも通り元気でいてくれて、私はとても救われた気分だった。

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