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End of summer~陽炎~

第2章 生け贄編

「あ~、やっと校門見えてきた~」


夏音の言葉に僕は我に返りふ、と顔を上げるとひょうひょうと突っ立っている大木目に入ると「あー」と声を漏らした。


夏音が驚いた様に僕の顔を覗き込んで


「夏希、どうしたの?」


と少し心配そうに聞いてきた。それに僕はにっこりと微笑んで


「ううん、何でもないよ」と返す。


夏音はふーん、と気怠そうに言ってから心底嫌そうな顔をして、校門の前に立っている先生を睨んだ。

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