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教団 アノニマス

第1章 罪と罰

佐村が、リビングルームから出て行こうとすると。

[愛留を、お願いします]

法子が佐村の後ろ姿を見ながら、そう声をかけたのだが、不安な表情を隠せないでいた。

佐村が振り向きざまに、大きく頷いたのだ。

玄関から外に出ると、運転手が待っていた。

[奥様から、お送りするようにと仰せつかりました]

運転手が、後部座席のドアを開けた。

[すいません、新宿駅までお願いします]

佐村が、車に乗り込むと静かに発進した。

ロールスロイスは、高級住宅街から大都会の不夜城へと進んで行った。

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