
教団 アノニマス
第1章 罪と罰
「私は、盛愛留と言います」
愛留が、そう答えると。
「貴方の事は、教団アノニマスの明石教祖から訊いてるわ。自宅に貴方の部屋を用意してあるの」
いつの間にか車は、駅から遠ざかっていたのだ。
「私は、どうしたら?」
「愛留ちゃん、お願い。私を助けて!」
愛留が驚いた、天下の社長が何故、女子高生に?
「実は、会社が危機なのよ。長引く不況で負債が2兆円あるの、もう無理だわ」
そう言われても、愛留にも分からない。
「それで、教祖に相談したら貴方には不思議な力があるって聞いたわ。教祖も貴方に依って神力が付いたと。
1万人のクライアントを集める宗教団体を創設できたのも、貴方の神力があったればこそと。
お願い私にも神力を下さらない、助けて愛留ちゃん!」
社長がハンカチで涙を拭きながら、今度はそのハンカチを口に咥えた。
母由紀子も、よく父の前で涙を流しながらハンカチを口に咥えていたものである。
愛留も可哀想に思えたのだが、愛留には見えていた。
社長の、未来の姿を。
「社長には、未来がない!!」
そう思ったとたん、社長に寄り添っているのは死神だった。
しかし、何故伊佐屋社長が女性の言葉を使うのか分からないが、それは後で判る事になる。
愛留が、そう答えると。
「貴方の事は、教団アノニマスの明石教祖から訊いてるわ。自宅に貴方の部屋を用意してあるの」
いつの間にか車は、駅から遠ざかっていたのだ。
「私は、どうしたら?」
「愛留ちゃん、お願い。私を助けて!」
愛留が驚いた、天下の社長が何故、女子高生に?
「実は、会社が危機なのよ。長引く不況で負債が2兆円あるの、もう無理だわ」
そう言われても、愛留にも分からない。
「それで、教祖に相談したら貴方には不思議な力があるって聞いたわ。教祖も貴方に依って神力が付いたと。
1万人のクライアントを集める宗教団体を創設できたのも、貴方の神力があったればこそと。
お願い私にも神力を下さらない、助けて愛留ちゃん!」
社長がハンカチで涙を拭きながら、今度はそのハンカチを口に咥えた。
母由紀子も、よく父の前で涙を流しながらハンカチを口に咥えていたものである。
愛留も可哀想に思えたのだが、愛留には見えていた。
社長の、未来の姿を。
「社長には、未来がない!!」
そう思ったとたん、社長に寄り添っているのは死神だった。
しかし、何故伊佐屋社長が女性の言葉を使うのか分からないが、それは後で判る事になる。
