
教団 アノニマス
第1章 罪と罰
カウンターの前に立つと、周りを威圧する様な雰囲気があった。
その男は身長が高く180はあろうか、かなりの大柄であった。
「夜分遅くすいません、湯田幸吉さんですか?」
「はい、そうですが」
「こうゆう者ですが」
男が懐から手帳を出し、湯田に見せると。
「世渡警察署捜査課の士門芳樹と言います。実は横井秀人さんについてお聞かせ願いたいのですが」
「刑事さんですか?」
湯田がそう言うと、士門刑事が頷き佐村は少し離れた。
「先日、ラブホテルで横井さんが殺害された事件で、こちらでバイトをしていたそうですが、何か変わった様子はなかったですか?」
「事件前に横井君を見ましたが、普段通りだったと思います」
「湯田さんは、横井さんから何か話しを聞かなかったでしょうか?」
「そう言えば、いつも誰かに尾行されているとは言っていました」
「それは、いつ頃からですか?」
「まだ、最近だと思います」
「誰に、尾行されていたかは」
「そこまで私も、訊いていません」
士門刑事は、湯田の話しを警察手帳にメモしていた。
「御協力、ありがとう御座いました」
刑事は横にいた佐村に気付き、軽く会釈をして出口から出て行った。
思わず佐村は、湯田に声を掛けた。
「横井秀人さんは、こちらでバイトをされていたんですか?」
「はい、貴方は興信所の佐村浩二さんですね」
「失礼をしました、私はこういう者で」
佐村が湯田に名刺を渡すと、湯田がカウンター上にある名刺入れ箱に置いた。
「横井は殺害される前日まで此処でバイトをしていましたが、彼は非常に真面目でした。何故あんな事に」
湯田は、大きな溜め息をついた。
「私は偶然、殺された前日に横井さんと会いましたが誰かに追われている様子でした。何かあったのでしょうか?」
「分かりません、彼は無口な青年でしたので仕事以外に関しては、何も訊いていません」
「こちらに、山本ルミカさんと言う、女子高生が来たことは?」
「一度、あります。なにせこういう店だから、それ以来2度と来ませんでした」
湯田は俯いて、伝票を見た。
「横井さんは、都内出身ですか?」
「一度横井から聞きましたが、何でも北海道から都内の大学に受験を受けたが落ちてしまい、今は浪人をしていると言っていました」
また俯いた湯田が、伝票整理を始めた。
その男は身長が高く180はあろうか、かなりの大柄であった。
「夜分遅くすいません、湯田幸吉さんですか?」
「はい、そうですが」
「こうゆう者ですが」
男が懐から手帳を出し、湯田に見せると。
「世渡警察署捜査課の士門芳樹と言います。実は横井秀人さんについてお聞かせ願いたいのですが」
「刑事さんですか?」
湯田がそう言うと、士門刑事が頷き佐村は少し離れた。
「先日、ラブホテルで横井さんが殺害された事件で、こちらでバイトをしていたそうですが、何か変わった様子はなかったですか?」
「事件前に横井君を見ましたが、普段通りだったと思います」
「湯田さんは、横井さんから何か話しを聞かなかったでしょうか?」
「そう言えば、いつも誰かに尾行されているとは言っていました」
「それは、いつ頃からですか?」
「まだ、最近だと思います」
「誰に、尾行されていたかは」
「そこまで私も、訊いていません」
士門刑事は、湯田の話しを警察手帳にメモしていた。
「御協力、ありがとう御座いました」
刑事は横にいた佐村に気付き、軽く会釈をして出口から出て行った。
思わず佐村は、湯田に声を掛けた。
「横井秀人さんは、こちらでバイトをされていたんですか?」
「はい、貴方は興信所の佐村浩二さんですね」
「失礼をしました、私はこういう者で」
佐村が湯田に名刺を渡すと、湯田がカウンター上にある名刺入れ箱に置いた。
「横井は殺害される前日まで此処でバイトをしていましたが、彼は非常に真面目でした。何故あんな事に」
湯田は、大きな溜め息をついた。
「私は偶然、殺された前日に横井さんと会いましたが誰かに追われている様子でした。何かあったのでしょうか?」
「分かりません、彼は無口な青年でしたので仕事以外に関しては、何も訊いていません」
「こちらに、山本ルミカさんと言う、女子高生が来たことは?」
「一度、あります。なにせこういう店だから、それ以来2度と来ませんでした」
湯田は俯いて、伝票を見た。
「横井さんは、都内出身ですか?」
「一度横井から聞きましたが、何でも北海道から都内の大学に受験を受けたが落ちてしまい、今は浪人をしていると言っていました」
また俯いた湯田が、伝票整理を始めた。
