
教団 アノニマス
第1章 罪と罰
皆様安心して下さい。私には神ヤハーベがついております、神の力で希望の光が灯ります。
私に神ヤハーベの力を与えてくれたのが、此処にいます盛愛留さんなのです」
教祖が左手で、愛留を指した。
「私の一存ではございますが、この盛愛留君を我が教団の副代表に任命したいと思います!」
愛留が立ち上がり、深々とお辞儀をした。
ホテルの前に一台のタクシーが止まり、佐村が下りて来た。
正面玄関から中に入り、七階までエレベーターで上がると大勢のホテルスタッフが立っている。
中を縫うようにして進むと、大きな貼り紙があった。
明石教祖大講演会!と書かれ受付に行くと、住所と名前の記帳をさせられた。
それが済むと中に通されたが、大勢の立ち見客で前が見えない。
千人以上はいるだろうか、異様な熱気に包まれている。
ステージ上では、愛留が何度も頭を下げると、大きな歓声に包まれていたのだ。
「教祖と副代表そして、幹部全員で、我が教団アノニマスを世界的な宗教団体にしたいと思います。
クライアントの皆様、神と使徒として教団を盛り上げて行きましょう!」
(これを持ちまして、教団アノニマスの大講演会を終了致します)
熱気に包まれた会場から、一斉にクライアントが帰り始めると、佐村も押されるようにエレベーターに乗り込んだ。
結局一階まで下りてしまったが、それでも懸命に盛由紀子を捜していた。
だが、余りにもクライアントが多すぎて、見つけ出すのは非常に困難である。
すると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「主任!主任じゃないですか。どうして此処に?」
後ろを振り返ると、そこに美樹とラムが立っている。
「ちょっと、仕事で来ちゃった」
佐村が頭を掻きながら、照れ笑いをした。
「こちらが、興信所の主任です」
美樹が佐村を、紹介すると。
「君は、メイド喫茶のラムちゃんでしょ?」
「お店ではタレント名を使っていますが、本名は直巳里沙と言います」
「なおみりさ、さんですか?」
里沙が、俯いた。
「そうなんですか、こちらこそ」
頭を掻きながら、ペロッと舌を出した。
「主任が、何のようですか?」
美樹が、訊いてきた。
私に神ヤハーベの力を与えてくれたのが、此処にいます盛愛留さんなのです」
教祖が左手で、愛留を指した。
「私の一存ではございますが、この盛愛留君を我が教団の副代表に任命したいと思います!」
愛留が立ち上がり、深々とお辞儀をした。
ホテルの前に一台のタクシーが止まり、佐村が下りて来た。
正面玄関から中に入り、七階までエレベーターで上がると大勢のホテルスタッフが立っている。
中を縫うようにして進むと、大きな貼り紙があった。
明石教祖大講演会!と書かれ受付に行くと、住所と名前の記帳をさせられた。
それが済むと中に通されたが、大勢の立ち見客で前が見えない。
千人以上はいるだろうか、異様な熱気に包まれている。
ステージ上では、愛留が何度も頭を下げると、大きな歓声に包まれていたのだ。
「教祖と副代表そして、幹部全員で、我が教団アノニマスを世界的な宗教団体にしたいと思います。
クライアントの皆様、神と使徒として教団を盛り上げて行きましょう!」
(これを持ちまして、教団アノニマスの大講演会を終了致します)
熱気に包まれた会場から、一斉にクライアントが帰り始めると、佐村も押されるようにエレベーターに乗り込んだ。
結局一階まで下りてしまったが、それでも懸命に盛由紀子を捜していた。
だが、余りにもクライアントが多すぎて、見つけ出すのは非常に困難である。
すると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「主任!主任じゃないですか。どうして此処に?」
後ろを振り返ると、そこに美樹とラムが立っている。
「ちょっと、仕事で来ちゃった」
佐村が頭を掻きながら、照れ笑いをした。
「こちらが、興信所の主任です」
美樹が佐村を、紹介すると。
「君は、メイド喫茶のラムちゃんでしょ?」
「お店ではタレント名を使っていますが、本名は直巳里沙と言います」
「なおみりさ、さんですか?」
里沙が、俯いた。
「そうなんですか、こちらこそ」
頭を掻きながら、ペロッと舌を出した。
「主任が、何のようですか?」
美樹が、訊いてきた。
