
教団 アノニマス
第1章 罪と罰
佐村が腕時計を見ると、午後8時を指している。
「こんな時間に、誰だろう?」
玄関のところに行って、ドアを開けると誰もいない。
ふと下を見ると、30センチ四方の白い箱が置かれていた。
その箱をそっと持ち上げて、室内のテーブルの上にゆっくりと置いた。
「一体、何でしょうか?」
美樹が、不安そうに訊いた。
「危険だから、離れてて」
佐村の忠告に、美樹と里沙が距離をおいた。
両手で優しく箱を挟み込み、蓋をそっと持ち上げると、中には生クリームケーキが入っていた。
「フー、時限爆弾では無いようだ」
佐村がそう言って、吐息を漏らした。
だが、持ち上げた蓋の裏を見ると手紙が貼り付けられている。
その紙を剥がして、広げると。
(教団アノニマスに深入りするな、今すぐ手を引け。さもないと新宿ホテル殺人事件を思い出せ!)
手紙には、こう書かれている。
「これは、脅迫だろうか」
佐村が思考を巡らせていると、美樹がキッチンから包丁を持って来て、ケーキを切り始めた。
「どうして、此処が分かったのかしら」
「里沙さんの話しが全て、聴かれていたんだわ」
「盗聴?」
里沙の両腕に、鳥肌が立った。
奥から美樹が、ワインボトルを一本持ってきた。
「皆で食べましょうよ、美味しそうよ」
3つのグラスにワインが注がれると、一気にパクついた。
3人はあっという間に、ケーキを全部平らげてしまった。
「美味しかった!」
皆、糖分の大量摂取で満足気である。
「主任、里沙さん帰って貰って良いですか?」
「御協力ありがとうございました。大いに助かりました」
里沙が、ニッコリ笑った。
「明日から、通常通り出勤します」
「そうか!また明日から頼むよ」
佐村がそう言うと、美樹と里沙が一礼をして事務所から出て行った。
真理麗佳を捜そうと思案していた所、突然テーブルの上に置かれたスマホが目についた。
里沙の、忘れ物だ!
咄嗟に事務所の窓から下を見ると、既にタクシーに乗り込んだところだ。
追いかけようとしたが、タクシーの姿は無い。
思わず、佐村が溜め息をついた。
スマホに着信音がなり、通話ボタンを押すと。
「教団を探るのはやめろ!今に後悔するぞ!!」
「こんな時間に、誰だろう?」
玄関のところに行って、ドアを開けると誰もいない。
ふと下を見ると、30センチ四方の白い箱が置かれていた。
その箱をそっと持ち上げて、室内のテーブルの上にゆっくりと置いた。
「一体、何でしょうか?」
美樹が、不安そうに訊いた。
「危険だから、離れてて」
佐村の忠告に、美樹と里沙が距離をおいた。
両手で優しく箱を挟み込み、蓋をそっと持ち上げると、中には生クリームケーキが入っていた。
「フー、時限爆弾では無いようだ」
佐村がそう言って、吐息を漏らした。
だが、持ち上げた蓋の裏を見ると手紙が貼り付けられている。
その紙を剥がして、広げると。
(教団アノニマスに深入りするな、今すぐ手を引け。さもないと新宿ホテル殺人事件を思い出せ!)
手紙には、こう書かれている。
「これは、脅迫だろうか」
佐村が思考を巡らせていると、美樹がキッチンから包丁を持って来て、ケーキを切り始めた。
「どうして、此処が分かったのかしら」
「里沙さんの話しが全て、聴かれていたんだわ」
「盗聴?」
里沙の両腕に、鳥肌が立った。
奥から美樹が、ワインボトルを一本持ってきた。
「皆で食べましょうよ、美味しそうよ」
3つのグラスにワインが注がれると、一気にパクついた。
3人はあっという間に、ケーキを全部平らげてしまった。
「美味しかった!」
皆、糖分の大量摂取で満足気である。
「主任、里沙さん帰って貰って良いですか?」
「御協力ありがとうございました。大いに助かりました」
里沙が、ニッコリ笑った。
「明日から、通常通り出勤します」
「そうか!また明日から頼むよ」
佐村がそう言うと、美樹と里沙が一礼をして事務所から出て行った。
真理麗佳を捜そうと思案していた所、突然テーブルの上に置かれたスマホが目についた。
里沙の、忘れ物だ!
咄嗟に事務所の窓から下を見ると、既にタクシーに乗り込んだところだ。
追いかけようとしたが、タクシーの姿は無い。
思わず、佐村が溜め息をついた。
スマホに着信音がなり、通話ボタンを押すと。
「教団を探るのはやめろ!今に後悔するぞ!!」
