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教団 アノニマス

第1章 罪と罰

「湯田さんは社長もご存知の通り、会社から横領した金で真理麗佳に貢いでいました。

ところが、湯田さんは横領した金を半分しか渡していませんでした。

残りの2億円を、何処かに隠したままなのです」

「という事は、湯田は盛さんに全額返さなかったのかしら」

とても、伊佐屋社長は驚いた様子だった。

「それで、麗佳が隠し場所を聴きに来た訳何ですが」

「それが元で、湯田が殺されたって訳?」

佐村が、静かに頷いた。

「信じられないわ!実は湯田と私は高校時代のクラスメイトだったのよ。

彼はとても頭が良くて、いつもクラスではテストが一番だったわ。盛財閥の娘、毛瀬法子さんと結婚した時は流石だと思ったわ。

でも、まさか彼が事件を起こして刑務所からの出所時は、やつれて老けていたの。

可哀想になっちゃて、それで賠償金を全額建て替えてあげたのよ」

恐らく社長は、湯田に好意を抱いていたのだろう。

「麗佳さんが、貢いでいた相手が明石教祖なのです」

「え!明石教祖!!」

伊佐屋社長が、驚いた。

「湯田さんが警察に逮捕された時点で、麗佳は盛社長や湯田氏の前からも姿を

消しています」

佐村の言葉に、社長が怪訝な顔になった。

「おかしいわねぇ、何か裏がありそうだわ。

麗佳も、誰かに操られている。バックに裏組織が!

佐村さん!私の依頼を頼まれてくれないかしら、報酬は弾むわ!」

思わず佐村が、身を乗り出した。

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