
教団 アノニマス
第1章 罪と罰
都内、銀座にある高級フレンチレストランに明石教祖と盛由紀子が食事をしている。
店内にはテーブルが幾つかあったが、二人以外に客はいなかった。
教祖と由紀子にとって、二人だけの食事は初めてであった。
由紀子は、アルコールに頼りながらも緊張気味である。
そして、二人が程よく酔いが回ったところで。
「先生、今日はお誘い下さいまして、ありがとうございます」
由紀子が、ニッコリ微笑んだ。
「由紀子さんのお陰で、講演会を成功させる事が出来ました。
クライアントも1・5倍に増え、これも由紀子さんの寄付金のお陰です」
「よございましたわ、私としてはこのまま愛留を貴方の養子にして下されば、
幾らでも御用意いたしますわ」
由紀子が、ニヤリと笑った。
「そこで話しと言うのは、教団アノニマスもネットテレビ参入に依って、
クライアント十万人達成を掲げております。
それで、寄付金の大幅増額を」
「今、主人とその事で揉めておりますの。すぐには無理ですが、
いずれ増額を考えておりますの」
由紀子が、ワインを一口啜った。
「本当に御無理ばかり申し上げて、すいません。
私の我が儘ですので、気になさらないで下さい」
突然、教祖が由紀子の肩を見ている。
何かが、見えたのだろうか。
「先程から観ておりますと、由紀子さんに変な人間が来て、
不愉快な気分になった事はないでしょうか?」
「ええ、探偵に襲われて教団をやめるように脅迫されましたの」
「そのせいです、現在の由紀子さんには、探偵の生き霊が憑いております」
「ええ!そうなんですか?」
驚きと共に、反射的に仰け反った。
「安心して下さい、祓って見せますよ」
おもむろに教祖が立ち上がり、由紀子の後ろに立った。
由紀子は和服姿だったが、和服の上から背中と胸部に手を充てた。
「いけませんわ!美貌に溢れた和服美人を姦通しては!」
教祖が念を送ると、思考能力が停止して金縛りにあった。
身体が、全く動かない。
しかし、5分程で金縛りが解け、身体が元の状態に戻った。
「大丈夫、生き霊は離れました」
由紀子が、安堵した。
「御主人、気をつけて下さい。死神が寄り添っています」
教祖の言葉に驚きを隠せなかったが、そこにウエイターが来て
ディナーをテーブルの上に置いた。
店内にはテーブルが幾つかあったが、二人以外に客はいなかった。
教祖と由紀子にとって、二人だけの食事は初めてであった。
由紀子は、アルコールに頼りながらも緊張気味である。
そして、二人が程よく酔いが回ったところで。
「先生、今日はお誘い下さいまして、ありがとうございます」
由紀子が、ニッコリ微笑んだ。
「由紀子さんのお陰で、講演会を成功させる事が出来ました。
クライアントも1・5倍に増え、これも由紀子さんの寄付金のお陰です」
「よございましたわ、私としてはこのまま愛留を貴方の養子にして下されば、
幾らでも御用意いたしますわ」
由紀子が、ニヤリと笑った。
「そこで話しと言うのは、教団アノニマスもネットテレビ参入に依って、
クライアント十万人達成を掲げております。
それで、寄付金の大幅増額を」
「今、主人とその事で揉めておりますの。すぐには無理ですが、
いずれ増額を考えておりますの」
由紀子が、ワインを一口啜った。
「本当に御無理ばかり申し上げて、すいません。
私の我が儘ですので、気になさらないで下さい」
突然、教祖が由紀子の肩を見ている。
何かが、見えたのだろうか。
「先程から観ておりますと、由紀子さんに変な人間が来て、
不愉快な気分になった事はないでしょうか?」
「ええ、探偵に襲われて教団をやめるように脅迫されましたの」
「そのせいです、現在の由紀子さんには、探偵の生き霊が憑いております」
「ええ!そうなんですか?」
驚きと共に、反射的に仰け反った。
「安心して下さい、祓って見せますよ」
おもむろに教祖が立ち上がり、由紀子の後ろに立った。
由紀子は和服姿だったが、和服の上から背中と胸部に手を充てた。
「いけませんわ!美貌に溢れた和服美人を姦通しては!」
教祖が念を送ると、思考能力が停止して金縛りにあった。
身体が、全く動かない。
しかし、5分程で金縛りが解け、身体が元の状態に戻った。
「大丈夫、生き霊は離れました」
由紀子が、安堵した。
「御主人、気をつけて下さい。死神が寄り添っています」
教祖の言葉に驚きを隠せなかったが、そこにウエイターが来て
ディナーをテーブルの上に置いた。
