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教団 アノニマス

第1章 罪と罰

「明石の父親は明石三郎と言って、暴力団の組長なのです」

明石教祖と丸陳流太、特別な関係かもしれない。

「あの時何故、私を見て逃げたのですか?」

「刑事かと、思って」

「当時、車を運転していたのは誰ですか?」

真理麗佳が、俯いた。

「言いたくなければ、宜しいのですが」

麗佳が、顔を上げて。

「現在付き合っている、彼氏です」

「彼とは?」

「世渡警察署の、士門芳樹です」

「士門刑事!」

佐村が、驚愕した。

麗佳を乗せた車を運転していたのは、士門刑事かもしれない。

そして、妻の君香、息子の健人を殺害したのは明石教祖!

突然、佐村のスマホに着信音が鳴り、通話ボタンをタップすると相手は伊佐屋社長だった。

「貴方の部下が危ないわ!居場所を教えてあげる。

教団アノニマス本部は品川、湯田が勤めていた店が渋谷、横井秀人と山本ルミカが

殺害されたホテルは新宿よ。直巳里沙がいたメイド喫茶は原宿、

盛社長夫婦の自宅が目白、私の自宅が池袋、毛瀬法子の自宅が調布市よ。

山手線を北上すると浦和駅から大宮駅、調布から真北に進むと西大宮駅。

大宮駅と西大宮駅の中間にある、廃病院よ!」

「埼玉県の廃病院・・・」

佐村が、急いで電話を切った。

「どうした、佐村!」

「美樹の居場所が分かりました、麗佳さん感謝します。中川さん、後は宜しく」

「分かった!気をつけて」

慌てて店を出て大通りに出ると、タクシーを拾い走り去る佐村だった。



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