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「佐村さん、大丈夫ですか？」

その時、士門刑事の声が大きく響いた。

士門刑事と他４名の警官が、走り寄って来た。

「分かりましたよ刑事、新宿ホテル殺害事件は、教団アノニマスの丸陳流太。

私の家族を殺したのは、明石教祖です」

思わず佐村が、士門にまくしたてた。

「すぐ、明石と丸陳流太の逮捕状を取ります！」

佐村が、周りを見渡しながら。

「この中に、余羽美樹がいる筈何ですが」

佐村と士門が二階にあがると、鉄格子がある部屋があり、

その奥に美樹が倒れている。

「美樹！！」

佐村が叫ぶと、警官が来て鉄格子の鍵を開けた。

すかさず、士門が美樹の右手首を握ったところ。

「生きています、命に別状は無い様です！」

「美樹すまなかった、こんな目に合わせてしまって・・・」

佐村が悲痛な心情で、頭を下げた。

そこに救急隊員が入って来て、ステッチャーの上に美樹を乗せ、

救急車へ運び出した。

美樹は助かったが、直巳里沙は死んでしまった。

私の責任だ！もっと的確な状況判断をすべきだった。

自分の甘さを、悔いた佐村だった。

突然、スマホの着信音が鳴り、見てみると伊佐屋豊社長だった。

「急に電話をしてごめんなさい､今すぐ自宅に来てお願い！

盛夫婦があんな事になるなんて思わなかったのよ。

もう怖いのよ、今度は私の番だわ！

早く来て、私を守って！！」

「家から出ないように、今からすぐ行きます！」

そう答えたが、明らかに社長は怯えている様子だ。

「二人の歴代社長が、危ない！」

「佐村さんのお陰で、組幹部を逮捕する事が出来ました。

感謝します。

ところで、この場所をどうやって知ったのですか？」

士門が、不思議な顔をした。

「伊佐屋社長が、教えてくれました」

「なる程、伊佐屋社長と言いますと、伊佐屋グループの・・・」

「今度は、社長が危険です。社長宅にヒットマンを送ったそうです」

「それでは社長宅に、一緒に来て下さい！」

士門の呼びかけに、佐村が大きく頷いた。