教団 アノニマス
第1章 罪と罰
佐村がそれをみると、形が変容して愛留に変身した。
そして、愛留が駆け寄って来ると、縛っているロープを外した。
「ありがとう、此処は何処ですか?」
「教団アノニマスの本部です」
此処が、品川の教団本部。初めて見た佐村だった。
「君が、盛愛留さん?」
愛留は、素直に頷いた。またこの時、佐村は初めて愛留に会ったのだが、元気な姿を観てホッとしたのも事実だ。
「父と母は、どうなりましたか?」
愛留の問いかけに、佐村が首を横に振った。
すると、愛留のつぶらな瞳から一筋の涙が零れ落ちた。
「君も一人になってしまったけど、君だけじゃないんだ。
法子叔母さんも、一人になってしまったんだ。
法子さんは、君を養子にしたいと言ってる。
叔母さんも寂しいだろうから、君が助けてくれないか?」
佐村の言葉に、愛留は嗚咽を繰り返した。そして、何度も頷いた。
「愛留さん、よく聞いて欲しい」
佐村が、優しく語り始めた。
「君のお母さんは、真理麗佳だけど、お父さんは盛達三ではないんだ。
・・・君のお父さんは、明石教祖なんだよ」
その瞬間、愛留に衝撃が走り、絶句した。
右手で口を押さえたまま、目を見開いている。
「オジサン!」
愛留が叫ぶと、佐村の胸に飛び込んだ。
愛留が、佐村の腕の中で大声で泣いた。泣くしかなかった。
「お願いだ、教えてくれないか。教祖は何処にいる?」
佐村が、そっと語りかけた。
「どうして、オジサンは執拗に教祖を追いかけまわすの?」
「私の家族、妻君香と息子健人は明石海人教祖に殺されました・・・」
二人は、見詰めあったまま微動だにしなかった。
「オジサンついて来て、案内してあげる!」
咄嗟に愛留が佐村の左手を掴み、二人して扉の外に出た。
通路を暫く進むと。
(ズキューン!!)
大きな発砲音が聞こえ、思わず愛留と佐村が立ち止まった。
「副代表、手を上げてこちらに、来て下さい」
二人が振り返ると、丸陳流太が拳銃を持って立っている。
二人が両手を上げたまま、丸陳流太の後について行った。
そして、愛留が駆け寄って来ると、縛っているロープを外した。
「ありがとう、此処は何処ですか?」
「教団アノニマスの本部です」
此処が、品川の教団本部。初めて見た佐村だった。
「君が、盛愛留さん?」
愛留は、素直に頷いた。またこの時、佐村は初めて愛留に会ったのだが、元気な姿を観てホッとしたのも事実だ。
「父と母は、どうなりましたか?」
愛留の問いかけに、佐村が首を横に振った。
すると、愛留のつぶらな瞳から一筋の涙が零れ落ちた。
「君も一人になってしまったけど、君だけじゃないんだ。
法子叔母さんも、一人になってしまったんだ。
法子さんは、君を養子にしたいと言ってる。
叔母さんも寂しいだろうから、君が助けてくれないか?」
佐村の言葉に、愛留は嗚咽を繰り返した。そして、何度も頷いた。
「愛留さん、よく聞いて欲しい」
佐村が、優しく語り始めた。
「君のお母さんは、真理麗佳だけど、お父さんは盛達三ではないんだ。
・・・君のお父さんは、明石教祖なんだよ」
その瞬間、愛留に衝撃が走り、絶句した。
右手で口を押さえたまま、目を見開いている。
「オジサン!」
愛留が叫ぶと、佐村の胸に飛び込んだ。
愛留が、佐村の腕の中で大声で泣いた。泣くしかなかった。
「お願いだ、教えてくれないか。教祖は何処にいる?」
佐村が、そっと語りかけた。
「どうして、オジサンは執拗に教祖を追いかけまわすの?」
「私の家族、妻君香と息子健人は明石海人教祖に殺されました・・・」
二人は、見詰めあったまま微動だにしなかった。
「オジサンついて来て、案内してあげる!」
咄嗟に愛留が佐村の左手を掴み、二人して扉の外に出た。
通路を暫く進むと。
(ズキューン!!)
大きな発砲音が聞こえ、思わず愛留と佐村が立ち止まった。
「副代表、手を上げてこちらに、来て下さい」
二人が振り返ると、丸陳流太が拳銃を持って立っている。
二人が両手を上げたまま、丸陳流太の後について行った。