完璧少女の苦悩
第1章 そんな私
「見て、梓」
愛利が、さっき受け付けでもらったクラス表と入学式のプログラムが書かれた紙を私に差し出した。
「同じクラスだって」
そう言った愛利の声は少し震えていた。
それは、なに? 嬉しいから? 悲しいから震えてるの?
「ふ、ふーん」
「もーちょっと嬉しがるとかできないの?」
「え、あー……無理かな」
そんなことを話しつつ、入学式が行われる体育館へと向かう。
さあて、ウチの兄ズはどこに行ったのかな。
どこにいるかは知らないけど、目立つ容姿の2人が注目を集めているというのは、安易に想像できた。