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ぜんぶ二人ではじめて

第9章 お泊まり会・1

「お前らなー!」

ヤスくんは怯まず、叱ってる。

「とりあえず、離れろ!」

そう言って二人を離した。

「これからお説教な!着替えてリビングに来い!」

「はーい。」

二人がシュンとした声で、返事をした。

ヤスくんて、やっぱ、かっこいい!

「市川さん、リビング行こう?」

そう言って、

肩にポンと手を置かれた。

そこがヤスくんの熱で温かい。

「あ、うん。」

私はワンテンポずれて、返事をした。

「来ないね……」

リビングで待ちぼうけ。

「あいつらまだいちゃついてんな。」

そう言って二階に行こうとするから、

「ヤスくん。放っておこうよ?」

そう言って、ヤスくんの服の裾を少し引っ張った。

「いや……だって、ベッド、市川さんのじゃん!つーか、俺は例え目的が彩月であったにせよ、市川さんに急接近したっつーその状況が許せねぇ。」

「ヤスくん……」

「カッコ悪いけど……」

そう言って舌打ちした。

「え?なんで?」

「嫉妬丸出しじゃん。」

「……変かな?……」

「ん?」

「嬉しいの。」

きっと、顔、真っ赤だなー……

二人で見つめ合う。

「だっ!ダメダメ!」

ヤスくんが焦る。

「ん?」

「昌樹と彩月のあんなシーン見た後でそんな顔されたら俺も何か……しでかしそう!」

「ヤスくん……?何かしたいの?」

「俺も男だよ!」

「うん。」

「でも……付き合ってはいないじゃん。」

「うん。……私たち、距離、結構縮まったかな?」

ソファーに座ってた距離を縮めてみた!

「近づくと抱きしめるよ?」

「……ヤスくん……」

近づいたときに指先が触れた。

ドキンドキンドキン……

キュッと手を握られた!

見つめ合う……

握ってない方の手でそっと、頬に手を当てられる。

ドキンドキン……ドキンドキン……

そのまま抱き寄せられた。

そして、

「早く……俺だけのもんにしたい。」

そう言われた。

バクンバクン……

鼓動が高鳴りすぎて、

「ヤバい……今、エロいことしか浮かんでこない……」

「え?や、ヤスくん……」

抱き合いながら話す。

パタパタ……

階段を降りる音が聞こえて、

バッと離れた。

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