テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

「あっ!また逆ナンされてる!」

「え?」

彩月ちゃんに言われて見ると、ヤスくんがキレイな女の人から声をかけられてた。

ヤスくんがこっちを見る。

ザワザワ……心がザワつく。

「キミたち可愛いねー!俺たちと遊ばない?」

妙に馴れ馴れしい男の人が声をかけてきた。

彩月ちゃんが、

「連れがいるので、結構でーす。」

明るく断る。

「ざーんねーん!」

相手も明るく引き下がる。

交わし方、すごい!

私じゃしどろもどろになっちゃうだろうな。彩月ちゃんのこういう所、尊敬する。

「彩月!」

昌樹くんが走り寄ってきた。

「昌樹!置いてくなー!」

「ごめん!ごめん!」

仲良しだなー、この二人。

ヤスくんは?

あれ??いない。

まさか!さっきのキレイな女の人と!?

ヤスくんに限ってそれはないか。

でも、じゃあ、どこに行ったの?

「早く行こ?」

「うん。でも、ヤスくんは?」

昌樹くんに聞いてみる。

「ヤスくん、先に行って、浮き輪とか借りてくれてるよ。」

ホッ……

良かった。優しいなぁ。カッコいいなぁ。

「そうなんだ。」

私は走る昌樹くんのあとを追いかけて、ヤスくんのところに急いだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ