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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

side 泰宏

昌樹と彩月が近くで遊んでるのを横目に、俺は市川さんの手を握った。

「危ないから。」

と言った俺に対して、

満面の笑みで明るく、

「うん!」

て。

告白……しようかな。

でも、もし断られたら、このあと、気まずくなるしな。

握った手を、もう少しだけ強く握った。

「ヤスくん……?」

「市川さんて……お昼、何食べたい?」

聞けない……

好きな人いるの?なんて。

「お昼?夜はカレーで良い?」

「あぁ。」

「んー。お好み焼き食べたいな。」

「じゃ、そうしよっか。」

「うん!きゃあ!」

「おっと!」

大きめの波がきて、市川さんが流されそうになった。

俺は、繋いでた手を引き寄せて、抱き寄せた。

ドキン……

「ごめん。」

「いいよ。大丈夫?」

「うん。あ。パレオが取れちゃった。」

「え?」

「あ!結び直すから、今、見ないで?」

「手、離したらまた沈むよ?」

「あ……そっか。どうしよ……。」

今にも流れてしまいそうなパレオ。

とりあえず、捕まえとく。

「俺が……結ぼうか?」

「……う、うん。お願い……します。」

「ちゃんと……捕まっててね?」

「う、うん。」

俺の首に腕を回して、抱きつくように捕まった。

めちゃくちゃ緊張する!

市川さんの……うなじ、キレイ……

胸、当たるし。

柔らかい……

パレオの下、ビキニなんだなー。

ビキニも見たいなー。

スタイル良いから、……見たいなー。

そんなことを考えながら、パレオを結んだ。

「お!すげー密着してんじゃん!」

と、昌樹。

「わー!大胆!」

騒ぐ彩月。

「ちっげーよ!パレオが取れそうだから結び直してんの!」

真っ赤になりながら伝えた。

「そーなの?ヤスくん、役得ー!」

「うるせーな。」

「イルカ、私、使って良い?」

と、彩月。

「おぅ。」

あれ?うまく結べない……。

もう一度やり直す。

「ヤスくん……」

「ごめん。意外と難しい。」

「ううん。良いんだけど……立ち泳ぎ、疲れちゃった。」

「あ!そっか。足、絡めていいよ?」

「あ……ん。ありがと。」

市川さんの太ももが!

ヤベー……気持ち良い!

結べなくて何度もやり直す。

「あ。出来た!」

「ほんと?ありがとう。」

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