テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

「……彩月ちゃんも言ってたでしょ?」

「そういうこと抜きにして。」

「……抜き……か。」

「あぁ。」

足を止めた。

「真面目に聞くけど、それは、俺だから良いの?それとも、この状況で、他の誰かと同じようになったら、その場合も他の誰かと……同じベッドで寝る?」

「………他の人とだったら?」

「うん……」

「やだ。」

「そっか。」

それって……俺だから良いって……そういうこと?

と、いうことは、市川さんは俺のことが好き?

告白しようかな。……でもな。

体目当てなんて思われたくないしな。

「ドキドキするの、俺、市川さんとが良いって前に話したじゃん?」

「うん。」

「あれ、今も変わってないよ。」

「うん。私も……。今日もたくさんドキドキしてる。すごく、嬉しいよ。」

「俺もだよ。」

また少し歩き始めた。

一歩遅れて歩き出す、市川さん。

手、繋ぎたいな。

なんて……思う。

きっと、お互いに想い合ってる。そう信じてる。

だけど、まだ温めておきたいんだよな。

「手……繋いでも、良い?」

思いきって聞いてみた。

「うん!」

市川さんが嬉しそうに答えた。

そういう笑顔が見れれば今は良いや。

小さい市川さんの手……。

キュッと、優しく握る。

すげぇドキドキする!

チラッと市川さんを見る。

真っ赤になってる!

ドキドキしてるの、分かるよ。

「緊張するね。」

「ん……。ヤスくん、手……大きいね。」

「そうか?まぁ、この体で手だけ小さいってのもおかしいしね!笑」

「確かに。比べさせて?大きさ。」

「あぁ。いいよ。」

胸の高さに手を置く。

ソッと手を重ねる。

市川さんの手は、俺の第2関節より下……

「ちっさいな。」

「足も小さいし、背も小さいし、大きいことに憧れたけど、夢に終わったの。」

「足、何センチ?」

「21。」

「マジ?」

そう言って足も比べてみた。

「ヤスくんは?」

「俺、29。」

「え?そんな靴、売ってるの?」

「一応あるよ。21て、俺、小2の時だよ?」

「えー?そんな前なの?私、中学から変わらない……全部ミニサイズだよ。」

「おっぱい大きいじゃん!」

「やっぱりさっき、見たよね。」

「見た!」

「忘れて!」

「ムリ。」

恥ずかしそうに俯く。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ