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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

「知る術って?」

「男はみんないろいろ持ってんの!」

「いろいろ?」

「そ。いろいろ。」

何だろう?いろいろって。

「いろいろ?」

「そーだよ。」

「ヤスくんは何持ってるの?」

「まさか……いろいろの意味が分からない?」

「うん。ごめんね。」

「いや……良いけど……そっか。まぁ、そのうち追々、俺がいろいろ教えてあげるよ。」

「う……ん……」

何だか腑に落ちないけど、何となくそこで終わりにしておいた方が良さそうだと思った。

突然、足元に、

ゲコッ!

「キャァァーやだ!カエル!」

「何?カエル?怖いの?」

「ムリ。そーゆー系、一切ムリ!虫も嫌!」

そう言ってベンチに足を上げる。

「別に何もしないじゃん。」

「やだやだ!あいつ、近づいてくるもん!」

「カエル?」

「うん!」

「そうかなぁ?もういないよ?」

「ほんと?」

「うん。……あ。いた。」

「やだぁぁぁ!」

そう言って思わずヤスくんの腕にしがみついた。

「俺が……捕まえてポイッてしたら、手、もう繋いでくんない?」

「絶対ムリ!」

「手、洗っても?」

「やだ!」

「分かった。じゃあ、場所、移動しよ?」

「動けないよぉぉぉ。」

「可愛い。(クスッ!)おいでよ。」

ヤスくんが腕を広げてる。

「良いの?」

「あぁ。良いよ。」

ふわっとヤスくんの肩に腕を回した。

やだ……胸が当たっちゃう……。恥ずかしいッ!

そのままお姫さま抱っこしてくれて、その場から避難!

ドキドキドキドキ……

別の屋根がある休憩室に行った。

ビューンて、走って運んでく。

「キャハハッ!楽しいッ!」

「市川さん、めちゃくちゃ軽い!遊園地の絶叫系、好き?」

「あんまりグルグル回るのは苦手だけど、そこまで激しくなければ好きだよ。」

「じゃ、こーゆーのは?」

そう言って抱っこしたまま回った!

「きゃー!あははー!」

そんな風に楽しんでると、休憩室に着いた。

「降ろすよ?」

「…ありがとう。」

……ヤスくんにドキドキ移ったかな。

離れちゃうの、寂しいな。

「あ。コテージ行けば良かったな。もう、時間になる。」

と、ヤスくん。

「そうだね。でも、時間通りで良いの?」

「良いだろ、そこは。」

「そっか。」

そして、二人でコテージに向かった。

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