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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

キュッと、腕を強く組んだ。

また少し胸が当たった!やった!この状態を維持したい!

「じゃあ、ゴキブリの方が平気?」

「ヤダヤダ!ゾッとする!」

また胸が当たった!

俺はフリーだった方の手を少し動かした。

ほんとに、気持ちいい!

できれば手のひらで触りたいが……手を上に向けて腕を組むのはさすがにおかしいもんな。

「カエル見たときに、そーゆー系って言ってたけど、どういうこと?」

「ヌメヌメしてるのが嫌なの。虫も、硬い何かに覆われてたり、足がいっぱいあったりするのはダメ!」

そう言って寄せてたおっぱいがふわっと揺れた。

あぁ……揉みたい!

なんて……ダメだ。そんなこと考えちゃ……。

俺は、組んでた自分の腕を外して、市川さんと純粋に腕を組んでる現実を楽しもうと思った。

「あ。カーテン開いてる!」

「ほんとだ!」

コテージに戻るとカーテンは開いていた。

やっぱりあいつら、いたしてたってことか?

コンコン!

ノックする。

「はーい?!」

彩月の声。

「入るよ?」

「どーぞー。」

「時間ピッタリだったね!」

と、昌樹。

「七海ちゃん、さっきはゴメンね。」

「良いよ。」

全く気にしてないって笑顔で答える、市川さん。

「海、行くか!」

俺が誘う。

「うん!」

また四人で海に出た。

そして、夕方になってきたのでコテージへと引き上げた。

彩月と昌樹は飲み物の買い出しに行き、俺と市川さんは着替えて夕飯の支度……

俺は、さっさと脱衣場で着替えた。

市川さんが脱衣場で着替えてる時、

「キャーーー!」

と、悲鳴。

「どうした?」

脱衣場に行くと、パレオを掴んだまま、その場に座り込む市川さん。

「今、虫がいたから窓、開けたの。そしたら外にいた男の人と目が合って……夜、会いに来ても良い?って聞かれたの。」

涙目になりながら伝える。

俺も市川さんの前に座って話を聞く。

「マジで?おっさん?若いやつ?」

「30代くらいかな。」

「同じキャンプ場にそんなやついるの嫌だよな。」

「嫌だぁ。」

「大丈夫。俺が絶対、護るから。」

「ヤスくん……。」

「体、冷えちゃうよ?シャワー浴びてきたら?」

そう言ったら、市川さんがパレオを外して俺に抱きついた。

ドクン!ドキドキドキドキ……

「いちか……わ……さん?」

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