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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

side 七海

着替えようとしたら、窓に虫!

カサッって言ってるー!

カラッ…そーっと窓を開けて虫が逃げた!

ヌッ!

誰かが現れた!

ビクッ!

身体が強張る。

ニタッ!

男の人が奇妙に笑った。そして、

「夜、会いに来るよ。」

と。

思わず、悲鳴をあげた。

そんなことをヤスくんに説明したら、ヤスくんが、

「絶対、俺が護るから。」

そう言った。

ヤスくんの声に安心する。

ヤスくんとのドキドキに心が落ち着く。

持ってたパレオを離して、私はヤスくんに抱きついた。

「もっと……ドキドキさせて」

なんて…

そしたら、私、その場で横にされて……ヤスくんが上にいる!

下から見るヤスくん。ものすごくかっこよくて、ドキドキする。

首筋に舌を這わせる……

やだ!なんだろう、この声……。

初めて聞く……自分のエッチな声……恥ずかしい…

気持ちいい……

「これ以上はやめとく。誘惑すんなよ。止まらなくなるだろ。俺、市川さんのことも、自分の気持ちも大切にしたいんだよ。」

そう言われて、すごくバカなことをしたと反省した。

「普通だったら、あのままヤられてるからね?」

そう言われて、ドキッとした。

ヤられる?意味がよく分からないけど、とんでもないことなんだと予測した。

ありがとう、ヤスくん……優しいなぁ。

私、ヤスくんのこと好きになって良かった。

着替えて、部屋に行くと、二人も帰ってきてて、すぐに夕飯の支度。

「花火も買ってきたよ!」

彩月ちゃんが明るく言う。

「やったー!」

私たちは夕飯を食べて、花火をして、一人一人、お風呂に入って、寝ることになった。

洗ったあとまとめてた髪をほどいて、乾かして櫛でとかす。

海の近くだからか、少しひんやり、肌寒い……。

「市川さん。外、散歩に行かない?」

「うん。」

ヤスくんと夜の散歩。

海が見えるところまで歩いた。

「わー!見て見て!ヤスくん!月と星が!!!空から降って来たみたい!」

「海に映っててキレイだね。」

「うんッ!」

私は反省を生かし、自分から手をつなぎにいったり、抱きついたりしないように!と、決めていた。

ヤスくんがせっかく大切にしてくれてるんだもん。私も大切にしたい。

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