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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

side 七海

二人でひとつのベッドで寝ることになった。

とはいえ、私が誘ったんだけど……

ヤスくんのぬくもりを感じていたかったの。

虫も怖いけど。

ヤスくんと同じベッドに入る。

最初壁の方を向いて寝てたんだけど、壁の木目が気持ち悪くて、ヤスくんの方を向いた。

10センチくらいの体の隙間……。

埋めたくてヤスくんの胸に顔をくっつけた!

「ずっとはマズイ。本気で……コントロール効かなくなるかもしれないよ。それでも良いなら……くっついてなよ。」

ドクンドクンドクン……

どうしよう。

昼間も、次は覚悟して言ってって言われたし。

でも……覚悟なんてないし……

だけど、ヤスくんの熱を感じたい……

昼間の続きって言われても、よく分からないし。

「あのね?」

「ん?」

「続きって…どんなこと……なの?」

「そりゃ、キスとかじゃん?」

「とかって?その先もあるの?」

「あるよ。……市川さん、赤ちゃんの作り方知ってる?」

「……?作り方?できるまでなら分かるけど…」

着床とかだよね?

「まぁいいや。そのうち分かるよ。…腕枕、する?」

うだうだ悩んでると、そんなことを言われた。

「うん!!!」

ヤスくんの左腕に頭を乗せる。

顔と顔の距離が近くて……直視できない!

「キス……できる距離……だね……」

「あ……うん。」

「しないよ。大丈夫。」

「ヤスくん……」

キスなら良いよ……なんて……

それじゃ覚悟とは言わないかな。

「覚悟……って、キスじゃ言わない?」

「市川さん……目、閉じて?」

「うん……」

キスするのかな?

ドキンドキンドキン……

コツンと頭を寄せた。目を開けると、ヤスくんが、

「今日はたくさんドキドキしたよ。たくさん可愛い市川さんが見れてすげぇ嬉しかった。また、来年も来たい。」

そう言った。

「私も……ヤスくん、今日はたくさんのドキドキ、ありがとう。」

私は届く距離にいるのに、もどかしい距離が、今の私たちの距離なんだと実感した。

でもヤスくんのぬくもりはやっぱり気持ちよくて、昼間遊びまくったからか、すんなり、眠りに就いた。

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