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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

朝起きるとまだ5時。

ヤスくんの腕枕の中で目が覚めた。

ずっと、腕枕しててくれたんだ。痺れたりしてないかな?

ヤスくんはまだ寝てる。

寝顔、可愛い。

いつもカッコいいのに、可愛い。

頬に触れる。

いつも優しくしてくれて、ありがとう。

いつもワガママ聞いてくれて、ありがとう。

そんなことを思っていたら、頬に、

チュッ……

してから、

ボッ!

顔から火が出そう!

何してんの、私。

「ん?おはよ。」

やー!今起きないでー!

「おはよ。」

「どーしたの?顔、真っ赤だよ?」

サッと、布団で顔を隠す。

バクバク言ってる心臓が落ち着くのを待つ。

「この状況、やっぱり恥ずかしくて……」

そう答えた。

「よく言うよ。人の気も知らないで、キスなら良いとか言ったくせに。」

キス!

さっきしちゃった。

かなり唇に近い頬に。

「ごめんね。」

「(クスッ)」

バッ!

布団取られて、腕を私の横について、顔、近づけて、

チュッ……

頬にキスされた!

「しっかり受け取ったから。お返し。」

えっ!?

「起きてたの?」

「あぁ。」

「ズルい!」

「寝込み襲う方がズルいだろ。」

「うっ……」

「もう一回、ちゃんとして?」

「やだ!私、どうかしてたんだもん。」

「俺も……どうかしてるよ。このままめちゃくちゃにしたい……なんて朝から考えててさ。どうしたら、良い?」

どうしたら……って……聞かれても……

「市川さんの裸、見せてくれる?」

セクシーな声で……聞かれた。

「や……ダメだよ。」

「(クスッ)ウソだよ。ゴメン。一緒に寝れて嬉しかったよ。」

「私も!腕、痺れてない?」

「少しね。大丈夫だよ。……寝顔、可愛いかったよ。」

また急に恥ずかしくなる。

「ヤスくんも、寝顔可愛いかったよ。」

視線をずらして伝える。

「そーなの?」

「うん。」

「それでキスしたくなっちゃったの?」

意地悪!

「……ん……。」

「そっかー。……唇以外、もらってもいい?」

「え?……どこ?!」

「顔!」

「……う、うん……」

おでこに、チュッ……

瞼に、チュッ……

頬の上に、チュッ……

頬の真ん中に、チュッ……

頬の耳の方に、チュッ……

頬の下に、チュッ……

頬の唇の近くに、チュッ……

ドキンドキン…

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