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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

耳に……チュッ……

「ひゃん!」

変な声出ちゃった!

「可愛い……市川さん。早く唇も欲しい……」

そう言ってヤスくんが見つめた。

かぁぁぁ……

真っ赤になって、顔を手で隠した。

「すっげぇ可愛い。おしまい。たくさん味わいました。ありがと。」

「もぉ……ヤスくんは……」

どこか余裕を感じる。なんかズルい。

「耳、感じるんだね。」

なんて言う。

「か、か、感じるとか、分かんないもん。」

真っ赤なまま、反論する。

ヤスくんがベッドの端に座る。

「(クスッ)市川さんは、キスの種類は分かる?」

「えっ!?」

種類?

「チュッ……てやつがキスでしょ?」

そう答えた。

「深いキスは?」

「深いキス?」

「うーん。大人のキス。」

「え?何?大人のキス?チュッ……てやつは子どものキスなの?」

‘大人のキス’て、なんだか妙にエッチな響き。

「外国の映画とかでしてるやつ?」

頭フル回転で絞り出した。

「そーかも。」

「あれは、映画の話じゃないの?」

「え。現実にもあるよ。」

「えー?あんな……激しそうなの……?うそ。」

「試してみる?」

「ひゃーー。ムリぃぃぃ。やり方分かんないもん。」

「俺の真似すれば良いよ。」

そう言って、今度は横じゃなくて、上に来た!

ど、ど、どーしよー……

もう……大パニックだよぉぉぉ。

「あぁぁえっと……うんと……」

困ってると、

「ウソ。唇は取っておくから、安心して。」

と。

「ず、ズルい!ヤスくんだけ……余裕を感じる……私……は、こんなにドキドキしてるのに……」

そう言って視線をずらす。

「余裕なんてないよ。市川さんを傷つけたくないだけ。でも、可愛いから、弄りたいの。一緒だよ。俺だってなんの経験もないし。例え市川さんに誘惑されて今すぐ最後までして良いってなっても、そんな勇気持ち合わせてない。ただ、あんまり可愛いこと言ってると、途中までならしちゃうかもしんないよ?!」

なんて言った。

「ヤスくん……が……教えてくれなきゃ分からないよ。私……全部……いつか、ヤスくんに教えてもらいたい。」

そう言ったら、バッ!と離れて、床に座った。

「ヤスくん?」

「だから、そーゆー可愛いこと言うなって。」

そう言って耳まで真っ赤になってた。


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