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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

可愛くて可愛くて……

すごく愛しくて……

俺は見つめながらうるうるしてる瞳を隠したくなった。

そっと……抱き寄せて、昌樹と彩月に、

「見んなよ。」

と。

「あ、ヤスくん……」

「見せたくねーの。下向いてて。」

「俺たち、外出てようか?」

なんて昌樹が気を使う。

「進むことはないから、大丈夫。」

「なんだ。告白しなかったの?」

抱き寄せたまま……

「できるかよ。」

この状況じゃ、本当に体目当てに思われるだろ。

「もっとちゃんと……状況の良い時じゃないとできん!」

「ヤスくん……」

そう言って、ギュウッ!て、俺の腰に手を回して抱きついた。

胸が当たる!

「どうした?」

「待ってても、良いの?」

「あぁ。俺の気持ちは変わらない。近いうちちゃんと伝えるから……待っててくれないか?」

そう言ったらなおさらうるうる瞳になってしまった!

やべぇ……キスしたい!

「待ってる。」

一言呟いた彼女の顔が、すごくキレイだった。

俺たちは朝ごはんを作って、食べ、コテージの掃除をし、帰ることにした。

帰りの電車で、市川さんと彩月が寝たので、俺は昌樹に根掘り葉掘り聞き出した。

「で?どうだったわけ?」

「えっ…………ビックリした!」

「何が?」

「気持ち良すぎて……」

「そんなに?」

「うん。何あれ?あんなに良いことってあるんだー?って思った。」

「マジか。」

「そっちはどうだったの?一緒に寝たんでしょ?」

「まぁな。……断っておくけど、誘ってきたの市川さんだから!」

「そうなの?」

「あぁ。俺はマズイと思って一人一人寝れるって話したんだよ。でも、虫が出るから怖いとか言ってさ……」

「それでそれで?向かい合って寝た?」

「……あぁ。……それも!市川さんが壁見てたら怖いとか言ってこっち向いたんだよ。」

「積極的じゃん!」

「そうなんだよ。もう参った。俺がどんだけ抑えたかまるで分かってないだろうしな。」

「ねー?さっき見てて思ったんだけど、キスマークしらないって、相当、奥手だよね?」

「ディープキスも知らなかったよ。」

「え?したの?」

「してねーよ。」

「キスは?」

「唇以外は……」

「律儀ー!」

「うるせー。」

「ヤスくんらしいじゃん。」

「……」

あれ?いつの間にか俺の話……

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