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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

自宅に帰る。

みんなが送ってくれる。

「ありがとう。」

なんだか名残惜しい。

次、いつ会えるかな?

そういえば!

「明後日から、じいちゃんばあちゃんの畑手伝いに泊まり込みなの。」

じいちゃんばあちゃんの家とヤスくんたちの家はとても近い。

「俺も畑手伝う予定だよ。……会えると良いね。」

ドキン!

その真剣な、でも、優しい眼差しが、また胸を騒がせる。

「うん!じゃぁ、また、近いうちに。」

そう言って、家へと帰った。

楽しかったなー。

絵日記とかないのが寂しいくらいだわ。

でも、たくさん写真撮れたし、ヤスくんの気持ちも分かったし……

私は誰もいない家で一人、静かに思い出に浸っていた。

まだサヨナラしたばかりなのに、もう会いたい……

あぁ……恋って、体力いるなー。

夕方、父さんと母さんが帰ってきた。

「七海、全然焼けてないね。」

と、父さん。

「パラソルの下か海の中にばっかりいたからかな?」

あれ?でも、ヤスくん、めちゃくちゃ焼けてたよね?

昌樹くんも……。

でも、彩月ちゃんは焼けてなかった。

「もしかして、ヤスくんが常に日陰作ってくれてたんじゃないの?」

母さんに言われて、ハッとする。

「そうかも!」

なんでそんなに優しいの!

ヤスくん……

会いたいよぉ……

「もう、仕方ない子だね。そんなに好きが零れてたら結婚するまで大変じゃない。」

そう言って苦笑いする母さん。

「すみれも同じだったじゃないか。夜中電話してきて会いに来いだの……」

と、暴露する父さん。

「あら、忘れちゃったわ。」

二人のやり取りを見てて、少し元気出た。

「明日から深澤家に行くか?」

「うん!」

「動機が不純ですけど?」

「良いじゃないか。」

あれー?なんで私がヤスくんのこと好きだって分かるの?

不思議。

でも、ありがとう、父さん、母さん。

私は翌日からじいちゃんばあちゃん家に行くことにした。

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