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ぜんぶ二人ではじめて

第10章 ドキドキの夏休み

あ!

私の名前が!

ヤスくんの隣に書き出された!!!

!!!

うそ!

ウソ?

何度も黒板を見てしまう。

彩月ちゃんが、

「やった!七海ちゃん!席近いね!」

と、話しかけてきた。

「うん!」

そして小声で、

「ヤスくん、嬉しそうだよ?!」

そう言った!

「え?」

思わずヤスくんの方を見ると、

昌樹くんとニコニコ話していた。

晃くんが、

「市川、そっちかよ!ちぇっ」

と言った。

ん?

輝くんも、

「俺の方が少し近いね!」

と言った。

輝くんと目が合った。

プイッ!

思い切り目をそらす。

あれ以来、ずっとこんな感じの態度。

「お前、市川になにしたのかいい加減言えよな!」

そんなふうに問いただす晃くん。

「そうだよ!絶対、何かしただろ?」

竜一くんも乗っかる。

私のことラブ組の顔触れが輝くんを取り囲む。

みんな170センチ近いから、

圧倒される。

小さな声で、輝くんが何かを言った。

すると、

「おまえ!ふざけんなよ!」

「バカなことするなよ!」

口々に責められる、輝くん。

「ゴメン……」

ひたすら頭を下げる、輝くん。

先生のいない、学活は、にぎやかになるのは仕方ないけど、

輝くんが、あんなに謝っても、

みんなは、

「市川が許してないから許さない!」

そう言って突っぱねた。

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