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ぜんぶ二人ではじめて

第11章 心のキズ

ブラのホックを外して、

胸を露にされた!

「やぁぁぁ!」

私、何されるの?

力一杯抵抗してるのに、全然かなわない。

それを分からせるかのように、掴んでた腕に更に力を入れてくる。

「イタッ…!」

怖いよぉぉぉ。

足をバタバタさせれば蹴とばせるかもしれないと、またも抵抗をする。

「無駄だよ。」

そう言って寛貴くんが片手で私の両足を押さえる。

怖すぎる。

一気に絶望感が襲う。

涙がポロポロ……

「おっぱい、キレイだね!」

「どれ?見せて?」

足を放して、胸を触ろうとした!

ヤダ!絶対ヤダ!

そう思って、

「やめて!触らないでッ!!!」

渾身の力を込めて叫んだ!

涙が止まらない…

ヤスくん!ヤスくん!助けて、ヤスくん…

心の中で叫んでた。

ガタガタ!

ドアを開けようとする音がして、

「市川さん?市川さん、ここにいるの?」

ヤスくんだ!

「たす……」

最後まで言い終わる前に口を塞がれた。

それなら、物音をたてるしかない!

そう思って、近くに転がってたサッカーボールを適当に思い切り蹴った!

ガシャーン!!!

ボールは扉のガラスに命中!

割れなかったけど……

助けて!!!

ヤスくん!!!

お願い!!!

コンコン??

ノックされた。

ガシャガシャ

扉を開けようとするけど、

鍵がかかってて開かない。

ガチャ!

鍵が開いて、

扉が開いた。

「げっ!」

「なんで?」

そう言って二人が解放した。

ヘナヘナ……

腰が砕けてその場にしゃがみこんだ。

「市川さん?大丈夫?」

二人が逃げようと扉へと向かう。

「ちょっと、待ってください!」

その声に一瞬止まった。

ヤスくんの声が、

怒りで満ちていた。


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