テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第11章 心のキズ

扉を開けると……

二人の先輩に、

一人に手を、

一人に口を塞がれた、

市川さんが、

ポロポロ……涙を流して……

いた……

!!!

オレは一瞬にして状況が理解できた。

オレは怒りで二人に殴りかからないように、怒りをコントロールするので精一杯だった。

だから、声がいつもと違った。

何もしてないって?

そう言うけど!

二度と彼女に近づかないでください!

と言ったら、二人は逃げるようにして、部室から出ていった。

市川さん。

ナナちゃん。

本当に心配だよ。

ナナちゃんは学校で一人にしちゃダメだ。

学校は危険だ!

出来る限り、オレがナナちゃんを守るよ。

ナナちゃんの頭をヨシヨシ撫でた。

ナナちゃんの声が落ち着いてきたのが分かる。

思わず、抱き締めていた。

良かった。

無事で……

本当に良かった……

ナナちゃん。

「ヤスくん……」

オレを呼ぶ声がかわいくて、

思わず、ハッと、我に返った。

離れると、

ナナちゃんの胸が露になっていた!

オレは、直視できなくて、ドキドキする鼓動と闘っていた。

胸……キレイだな。

あ!

そういうこと、考えちゃダメだ。

下半身の暴走も食い止めないと。

ナナちゃんの支度が整うのを待って、

二人で部室から出た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ