ぜんぶ二人ではじめて
第11章 心のキズ
今日の天気は雨の予報。
朝、出るとき、パラついていた雨も今はすっかり上がってた。
一応の着替えは週末は持ち歩いていた。
ナナちゃん家に着くと、ナナちゃんが、
「ヤスくん……何か飲む?」
と。
なんだかまだ顔がひきつってて、心配だ。
「いいよ。それより少し、休もう?」
俺はそう言って、ナナちゃんをリビングのソファーに誘導した。
二人で座って、ナナちゃんが
「本当にありがとう……」
そう言って、手首を擦っていた。
「手首、見せて?」
「う、うん。」
力強く持たれたせいで、ナナちゃんの細くて白い手首は捻られたのか、赤く跡になってた。
「痛かったね。」
そう言って、手首をさすった。
あそこで俺が入って行かなかったら、マジでシャレにならなかったな。
「怖かったね。」
「ヤスくん……っ……んっ……」
ナナちゃんが俯いて……泣いてた。
「無事で良かったよ……本当に……」
俺は手首をさすりながら、そう言った。
「ん……。ありがとう……。……胸、借りても良い?」
もちろん。
「良いよ。」
俺がそう答えると、ポスッて胸に頭を寄せてきた。
ドキン!!!ドキン!!!ドキン!!!
緊張する!!!
ナナちゃん……すげぇ良い匂い。
俺は、左手でナナちゃんの手首をさすり、
右手で頭を撫でた。
しばらくそうしてた。
ひとしきり泣いたあと、落ち着いてきたナナちゃん。
「ありがとう、ヤスくん……もう、大丈夫。」
そう言って、顔を上げた。
「良かった。」
「さーて!ご飯、作ろっと!ヤスくん、何が良い?嫌いな物ある?」
そう言ってとびっきりの笑顔で聞いてきた。
俺は胸の鼓動を必死でごまかしながら、
「ないよ。」
一言しか答えられなかった。
朝、出るとき、パラついていた雨も今はすっかり上がってた。
一応の着替えは週末は持ち歩いていた。
ナナちゃん家に着くと、ナナちゃんが、
「ヤスくん……何か飲む?」
と。
なんだかまだ顔がひきつってて、心配だ。
「いいよ。それより少し、休もう?」
俺はそう言って、ナナちゃんをリビングのソファーに誘導した。
二人で座って、ナナちゃんが
「本当にありがとう……」
そう言って、手首を擦っていた。
「手首、見せて?」
「う、うん。」
力強く持たれたせいで、ナナちゃんの細くて白い手首は捻られたのか、赤く跡になってた。
「痛かったね。」
そう言って、手首をさすった。
あそこで俺が入って行かなかったら、マジでシャレにならなかったな。
「怖かったね。」
「ヤスくん……っ……んっ……」
ナナちゃんが俯いて……泣いてた。
「無事で良かったよ……本当に……」
俺は手首をさすりながら、そう言った。
「ん……。ありがとう……。……胸、借りても良い?」
もちろん。
「良いよ。」
俺がそう答えると、ポスッて胸に頭を寄せてきた。
ドキン!!!ドキン!!!ドキン!!!
緊張する!!!
ナナちゃん……すげぇ良い匂い。
俺は、左手でナナちゃんの手首をさすり、
右手で頭を撫でた。
しばらくそうしてた。
ひとしきり泣いたあと、落ち着いてきたナナちゃん。
「ありがとう、ヤスくん……もう、大丈夫。」
そう言って、顔を上げた。
「良かった。」
「さーて!ご飯、作ろっと!ヤスくん、何が良い?嫌いな物ある?」
そう言ってとびっきりの笑顔で聞いてきた。
俺は胸の鼓動を必死でごまかしながら、
「ないよ。」
一言しか答えられなかった。