ぜんぶ二人ではじめて
第11章 心のキズ
何度もお邪魔した、ナナちゃんの部屋に入る。
二人きりで……は、二回目だ。
今日はナナちゃんも熱、ないし。
素面で二人きり……
ベッドに入って、抱き合った時のことを思い出す……
俺が緊張してたらナナちゃんも緊張するよな。
だけど……
俺だってそんなにできた人間じゃないよ。
「ヤスくん……いつもここでゴメンね。」
そう言いながら、
布団を用意してくれた。
「俺が敷くから、市川さんはもう寝なよ。」
「え?私が敷くよ。ヤスくんはくつろいでて?」
意外な反応だった。
俺が寝る布団にナナちゃんがいる……
もう、その状況が……緊張を高める……
守るとか、
回りくどいこと言ってられないな。
俺はそう思って、思いきって、
「いや……その……俺、市川さんが思ってるほどできた人間じゃないよ。」
そう、切り出した。
「え?」
「俺も男だよ?」
「う、うん。」
「輝くんや先輩たちと同じだよ?」
「……ううん。それは違うよ。」
「ん?」
「ヤスくんは、三人みたいに無理やりってことはないと思うよ。」
「分からないよ。俺が俺を信じられないんだから。」
「そう……それでも私はヤスくんを信じるよ。」
「あり……がと……」
そこまで言われたら、何も言えない。
「布団、敷き終わったよ。」
「うん。」
「テレビ見る?」
なんて無邪気に聞くナナちゃんに、
「ナナちゃん……俺……寝て良い?」
思わず名前呼びをしていたが、無意識だった。
二人きりで……は、二回目だ。
今日はナナちゃんも熱、ないし。
素面で二人きり……
ベッドに入って、抱き合った時のことを思い出す……
俺が緊張してたらナナちゃんも緊張するよな。
だけど……
俺だってそんなにできた人間じゃないよ。
「ヤスくん……いつもここでゴメンね。」
そう言いながら、
布団を用意してくれた。
「俺が敷くから、市川さんはもう寝なよ。」
「え?私が敷くよ。ヤスくんはくつろいでて?」
意外な反応だった。
俺が寝る布団にナナちゃんがいる……
もう、その状況が……緊張を高める……
守るとか、
回りくどいこと言ってられないな。
俺はそう思って、思いきって、
「いや……その……俺、市川さんが思ってるほどできた人間じゃないよ。」
そう、切り出した。
「え?」
「俺も男だよ?」
「う、うん。」
「輝くんや先輩たちと同じだよ?」
「……ううん。それは違うよ。」
「ん?」
「ヤスくんは、三人みたいに無理やりってことはないと思うよ。」
「分からないよ。俺が俺を信じられないんだから。」
「そう……それでも私はヤスくんを信じるよ。」
「あり……がと……」
そこまで言われたら、何も言えない。
「布団、敷き終わったよ。」
「うん。」
「テレビ見る?」
なんて無邪気に聞くナナちゃんに、
「ナナちゃん……俺……寝て良い?」
思わず名前呼びをしていたが、無意識だった。