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ぜんぶ二人ではじめて

第11章 心のキズ

side 泰宏

ん?

背中に感じた温もり……

右を向いて寝てたから、左側の腕に、俺とは比べ物にならないくらいの、細い腕が……

!!!

「え?」

背中にあるのは……ナナちゃん……の……胸?!

ドキドキ

ドキドキ……

「昨日のお礼……」

ナナちゃん……

やばい。

すげぇ可愛い。

顔が見たい。

離れそうになった、ナナちゃんの腕を軽く引いて、

ナナちゃんを横にした。

ナナちゃんを下にして、

俺は……

その可愛くて……

抱き締めたくなる、

キスしたい。

そんな衝動を、

「ドキドキさせられた、お返し!」

そう言って、どいた。

俺の理性!

頑張った!!!

マジかよ。

もう、本当に……

ナナちゃんのこと、抱き締めたい!

キスしたい!

いや、いっそ……

そんなこと考えちゃダメだよな。

告白……しちゃおうかな。

トイレに行って、戻ると、ナナちゃんが俺が寝てた布団でゴロゴロしてる。

なんだかナナちゃん、変だ。

ま、俺も変なんだけど。

ナナちゃん……

抱き締めたいよ。

キスしたいよ!

「市川さん?」

「あ。ごめん!」

反応もいちいち可愛い。

「もし、俺と同じ気持ちなら……」

抱き締めたいなんて言えなかった。

万が一、俺と違うことを考えていたとしても、いい!

もし、同じ気持ちなら……

キスまでしても良いかな?

俺は、両手を広げた。

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